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連載コラム 写真三昧 SHASHIN ZANMAI
プロフィール

 

安藤 智仁
あんどう ともひと

 

日本大学芸術学部写真学科で写真を学ぶ。カメラ片手の鉄道の旅を愛する。東京の懐かしい風景を集めた「東京レトロ」をライフワークとして活動中。愛機はPENTAX 645D。リコーイメージング(株)販売サポートチーム所属。
現在全国で開催されるフォトセミナーの講師として活躍。フォトマスターEX。夜景鑑賞士2級。2014年3月写真展「Andy's Photo JourneyⅤ」を開催予定。

リンク ペンタックスファミリー 光と色の反射率 by Dr.M

K-3で巡る石垣の集落

PENTAX K-3を手に入れたら必ず訪ねようと思っていた場所がありました。愛媛県は南予、「外泊(そとどまり)」という集落です。外泊とは、幕末に隣接する「中泊(なかどまり)」の人口の増加に伴い行われた移民政策によって作られた集落で、急な斜面に這うように天然の石を積み上げて築かれた町並みが印象的です。10年以上前に645Nを携えて一度訪れてとても印象に残っていたのですが、K-3の発売と共に「このカメラを相棒にぜひとも再訪したい」との気持ちが募り、11月にその思いをかなえることができました。

集落へはJR宇和島からさらに路線バスを2回乗り継いでおよそ2時間。出掛けの時間には土砂降りの雨で「また雨男っぷりを発揮してしまったかな~」と暗い気持ちでいましたが、乗り継ぎの度に空が明るくなり、到着のころにはすっかりあがりました。ちなみにこの集落に来るバスは一日に3本。時刻表を見ると「はるばる来たな」と感慨深いものがあります。

さて、早速写真に入りましょう。

バス停に着くとこんな光景が広がります。山裾まで石垣が広がっています。
ちなみに最後に乗り換えたバスはマイクロバスでした。
狭い石畳を上りつつ後ろを振り返ると瀬戸内の海が広がります。
「坂道と海」好きにはたまらない光景です。
「石雛」がお出迎え。
背後に迫る山の中腹まで石垣が迫ります。
かつてはずっと上のほうまで畑を耕していたそうです。
石垣に腰掛けて穏やかな瀬戸内の海を眺める時間は至福のひと時。
長い年月を経た瓦屋根はなんとも言えない味わい。
石垣の隙間から伸びる石蕗の花が彩りを添えてくれます。
息を切らして高台まで登り詰めました。
心地よい風が吹き抜けます。

残念ながら綺麗な夕陽には巡り会えませんでしたが、途中から柔らかな陽射しにも恵まれて充実した撮影となりました。この日は民宿「石垣荘」さんに宿泊(この日の宿泊客は私一人でした!)。おかみさんから集落や宿の歴史について楽しくお話を伺いながら瀬戸内海の海の幸に舌鼓を打ちました。

今回の撮影行のお供は「K-3」と2本のレンズ「DA16-50mmF2.8ED AL[IF]SDM」「DA50-135mmF2.8ED[IF]SDM」、それに小さなフィールド用三脚。これを2日分の着替えと共に普段使いのデイパックに詰め込んで歩き回りました。基本、電車やフェリー、バスなどの公共交通機関を乗り継いで旅をする自分にとっては「身軽」であることが何より。いつかは撮りたかった「外泊」の町を余すところなく捉えてくれながらこの「身軽」さを実現してくれた「K-3」は旅の最高の相棒だったことは言うまでもありません。

さて年末年始、まとまったお休みが取れる方も多いのではないでしょうか(そうではない方、ゴメンなさい)。この機会に思い切っていつかは行こうと思っていたあの場所やこの場所へ、ぜひ相棒を連れてお出掛けしてみませんか。きっと素敵な出会いが待っていることと思います。

ペンタックスリコーフォトインストラクター
安藤 智仁