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ホワイトバランスの運用法(2)
デジタルカメラを使いこなすポイントのひとつに色の調整があります。色をどのようにカメラ内で作るかですが、その設定には画像仕上げのカスタムイメージと白を調整するホワイトバランスの2つがあります。前回はそのひとつホワイトバランスのペンタックスならではのモードであるCTE(Color Temperature Enhancement)を取り上げました。もうお試しいただけましたでしょうか。今回はホワイトバランスの中のマニュアルホワイトバランス(以下MWBで表記)についてのお話しです。 マニュアルホワイトバランスとは ホワイトバランスの設定は大半の場合はオートホワイトバランス(以下AWBで表記)でOKです。ただし、正確なホワイトバランスを取りたいときにMWBを使います。たとえば絵画の複写で正確な色を再現したいときです。その時に重要なのが白を調整するターゲットです。一般的には白い紙を使いますが、白といってもさまざまな白があります。18%のグレーカード(標準灰色板)を用いることもあります。今回はそのMWBのターゲットのひとつであるCBLレンズを使っての調整を紹介します。 CBLレンズの使い方 CBLレンズというツールですが、白色のギザギザの円盤になっています。被写体に届く光を受け止め、その反射光を取り込み調整するものです。使ってみるとAWBで調整の難しいシーンに効果があります。白熱灯下の条件でAWBとMWBで比較してみました。AWBでは暖色系の色が若干ですが残ります。MWBでは完全に調整をして白を再現しています。これが本来のMWBによる調整であり、当然のことといえます。興味深いのはそれだけではなく、作品づくりにおいて色へのこだわりがある場合にCBLレンズを使ったMWBが絶大な効果を発揮することです。
たとえば雨の紅葉を撮影したときです。AWBでは青くにごった色にしか発色できないときにCBLレンズを使ってMWBを取ると紅葉の赤を見事に再現できるのです。また、雨の湿原で撮影したときです。AWBでは葦の色が青くにごってしまいますが、CBLレンズを使うと青のにごりがなくなります。また、日の出や夕暮れ時の撮影ですが、太陽が地平線より低い位置でAWBは空が青く表現されます。そんなときにCBLレンズを使うと黄金色の空を演出することができます。
CBLレンズの使い方 使い方はいたってカンタンです。
ホワイトバランスの運用は柔軟に ホワイトバランスにはオートのAWB、オートの逆補正のCTEのほかに太陽光や日陰などのプリセットホワイトバランスがあります。ホワイトバランスは選択肢が多いほど色の調整がしやすくなるわけです。絶対的なホワイトバランスがあるわけではなく、AWBを基本にどのホワイトバランスを使うかは作者の色へのこだわりがすべてです。そのためホワイトバランスの運用は柔軟におこないます。MWBもその中のひとつです。CBLレンズによるMWBも大いに活用していただきたいと思います。 |