オートフォーカスの機能を活用して写す(1)
一眼レフは、ピント合わせがオートフォーカスになって大変に便利になりました。ただ、その機能を使うためにはいくつかのコツがあり、それらを使いこなすことによって、より上手に撮ることができます。今回はそのコツのひとつ測距エリアの選択について紹介します。
測距点は多い方が良い
一眼レフのファインダーを覗くとこんな感じ。測距センサーを赤で表してみました。青いワク内の9点がクロスセンサーになっています |
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オートフォーカスでピントを測るのが測距センサーです。ファインダー内の被写体に対応すべく配置されています。一眼レフカメラのファインダーを覗くとわかりやすいかと思いますが、K10DやK100Dなどは測距点が11点あります。
このうち中央9点は縦と横のセンサーを組み合せたクロスセンサーで、縦横のコントラストに左右されることなくピント合わせが可能です。残りの外側2つは縦センサー。センサーが画面を広くカバーしてくれるほど使いやすく、測距点が多いほど良いことになります。
測距エリアの選択
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K100D Super
「撮影」メニューの「測距点の切り替え」で選択します |
K10D
「測距点切替ダイヤル(ボディ背面のギザギザのダイヤル)」を回転させてセットします |
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オートフォーカス時には、これら複数のセンサーをどのように働かせるかを設定することができます。使用説明書等には「ピント合わせ位置(測距点)を選択する」として紹介されていますが、「オート」、「セレクト」、「中央」の3つのなかから選ぶことができます(初期設定はオート)。
変更するにはK100D、K100D Superはメニューから入って液晶モニター上で設定をします。K10Dは測距点切替ダイヤル(ボディ背面十字キーの外側のギザギザのダイヤル)を回して設定します。
測距エリアのオート設定
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フォーカスロックをして構図を作り直す方法で撮影。ファインダーから目を離せないので、思うような構図が取れません。K10D+smc PENTAX-DA 16-45mm F4ED AL。焦点距離:16mm、F値:8、シャッタースピード:1/800秒 |
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測距点を「オート」に設定にしてノーファインダー撮影。より自由な構図が取れるようになり、カモメにもジャストフォーカス!K10D+smc PENTAX-DA 16-45mm F4ED AL。焦点距離:16mm、F値:8、シャッタースピード:1/800秒 |
測距点の選択をカメラに任せるのが測距エリアの「オート」です。原理は測距点に対応する被写体のうち最も近距離に合わせるようになっています。カメラが測距点を自動選択してくれるので初心者向けと言えますが、この夏はこのモードに大いに助けられました。
三陸の北山崎で遊覧船に乗っていたときのことです。船と並んで群れて飛ぶカモメの撮影に挑戦しました。測距点を「中央」にセットし、ピントを合わせたいカモメの個体にフォーカスロックをかけてから、改めて構図を作り変えるという従来の方法を取ったのです。これが大変にやっかいでした。カモメは予測しない動きをしますし、ファインダーから目を離せませんから狭い船内では思ったような構図が取れず、どうしてもファインダーに船の屋根が入ってしまいます(※撮影の際には危険な行為、迷惑な行為などは絶対に行わず、マナーを守ってカメラライフを楽しんでくださいね)。
そこで、測距エリアを「オート」にセットし、ノーファインダー撮影でカメラを前方に突き出して撮ると思った以上にうまく撮ることができました。測距エリアの「オート」は予測できない動きの被写体にピントを合わせるには大変に有効な手段だったのです。
快適に写すことは傑作につながる
撮影で重要なことは、使う機能を的確に選択することです。この場合に重要なのは、撮影が快適にできるかどうかです。快適に写せることが傑作を写すことにつながります。なぜならば、撮影は非常にメンタルな行為であるからです。 次回は測距ポイントをセレクト設定にしたときの撮影ポイントについてのお話しです。 |