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進化を続けるペンタックスのレンズコーティング技術
1950年代、他社製品向けのレンズを製作していた頃からコーティング技術を高く評価されてきたペンタックス。これまでに、世界初の多層膜コーティング「スーパー・マルチ・コーティング」をはじめ、さまざまなコーティング技術で表現力に磨きをかけてきました。なかでも代表的なものを紹介します。
エアロ・ブライト・コーティング
エアロ・ブライト・コーティングは、ナノテクノロジーから生まれた最新のレンズコーティングです。通常のマルチコーティングの上に、均質な空隙を持つシリカエアロゲル層をコーティング。安定したシリカナノ粒子の間に屈折率の低い空気を取り込むことで、超低屈折率・高透明度のコーティングを実現。表面反射を大幅に低減しました。さらに、新たな超低屈折率膜形成プロセスにより、低反射特性を向上させたエアロ・ブライト・コーティングIIを開発しました。
HDコーティング
一般的にマルチコーティングは、真空蒸着によってレンズ表面に薄膜を形成しています。しかし、コーティング膜の密度を高めるのが難しく、膜厚と屈折率のバラツキが生じるという、製法上の課題がありました。これを独自の特殊製法で解決したのがHDコーティングです。高密度の膜を、ナノメートルのオーダーで高精度に形成。設計上の膜厚を精確に実現することで、可視光全域にわたり反射率を大幅に低減しました(従来のマルチコーティングに対し50%以下)。ゴーストやフレアーの抑制に効果的。また、膜の硬度がきわめて高く、耐久性にも優れています。
マルチコーティング
ペンタックスの交換レンズには、表面反射を単層膜コーティングの約1/10に低減した、独自のマルチコーティングが施されています。このコーティングにより、可視光線全域にわたって光の透過率を高めるとともに、有害な紫外線をほぼ全面的にカット。逆光などの悪条件でもゴーストやフレアーの発生が少なく、透明感の高い画像を獲得しています。
SP(Super Protect)コーティング
第1レンズの前面に施すことで、レンズの保護に効果を発揮する、ペンタックス独自の特殊コーティングです。撥水性と撥油性にすぐれ、レンズにホコリや水滴、油汚れなどがつきにくくなると同時に、汚れが付着した場合でも、簡単に除去しやすいという特長を兼ね備えています。