リコーカメラ全機種リスト > 戦前編(~1945)
~1945年 | 1946~1960年 | 1961~1980年 | 1981年~ |
ゴコク(護国) / リコール ベスト半裁判カメラ |
ゴコク(レンズ非交換型) リコール I リコール IIB |
高級カメラの代表であったライカは35mmフィルム使用だったため日本ではまだ一般性に欠けていた。しかしその高度な操作フィーリングはカメラの最高の位置を占めていた。理研光学では日本でポピュラーなベストフィルムを使いながらライカと同等の機能を得ることをねらったカメラを開発した。 しかし35mmフィルムとベストフィルムでは、巻き取りとフォーカルプレンシャッターのセット巻き上げを連動するメカニズムはライカ以上に難しく、最初の ゴコクは発売がおくれた上、故障が多発した。創業者 市村清は後に リコーフレックスIII型を設計することになる藤本栄に援助を要請した。 大幅な設計改善が行われ問題は解決し、カメラのネーミングも リコールになったが、日本の戦時体制の進展の影響でライカのようなトータルシステムを完成することはできないまま敗戦を迎えることになる。 最初にゴコク I 型が1939年に発売されたが、品質問題が大きく、実際に供給されたのは1940年からである。最初はライカと同じ寸法を採用したスクリユーマウントによる交換レンズのタイプだったが、生産が難しいカメラで発売が大幅に遅れ、作りやすいレンズ固定のタイプを急遽設計して間に合わせた。 このためレンズ交換と固定の二つのタイプのゴコクがあった。 ゴコクは機構を改良した新型(リコール)とすると同時にスクリユーマウントによるレンズ交換を標準機能にした。マウントはゴコクのライカと共通はやめ、多少寸法の違う独自のマウントになった。 以後のモデルも予定はあったが、戦争が激しくなった関係で後続機は廃止に追い込まれた。 |
発売年月 |
1939-42年 |
フィルムシステム | ベスト 127フィルム使用 |
画面サイズ | 30×40mm |
レンズ | ゴコク :ゴコクアナスチグマット 3群3枚 リコール :ゴコクアナスチグマット 3群3枚 リコール IIB :ノイタール 3群4枚構成 |
フォーカス | 回転ヘリコイドによる目測フォーカス |
シャッター | ゴム引き布膜フォーカルプレンシャッター Z(B) ・20 ・30 ・40 ・50 ・100 ・200 ・500 |
特徴 | フィルム巻き上げと同時にシャッターもセットされ、二重露出は完全防止、 リコール IIB ではレンズ着脱可能、特殊撮影機材との組合せができる(予定だった) |
大きさ | ゴコク :巾 112mm 高さ 67mm 奥行き 32mm(ボディ部のみ) リコール I /IIB :巾 125mm 高さ 98mm 奥行き 64mm(ボディ部のみ) |
質量 | ゴコク:590g リコール I:595g |
価格 | ゴコク:195円 リコール I :190円 リコール IIB :256円 |
見分けかた | 距離計なしのライカの感覚で、ボディがライカよりやや背高 |