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KOKO DOKO 27

「食彩市」でにぎわう中央市場

一般市民が新鮮な食料品の買い物ができる「食彩市」。
値段も安いと好評だ。
文・写真 = 内藤靖正

食彩市

●毎月第1土曜日(次回は5月7日、次々回は6月4日)/午前10時~12時(一部の関連店舗は午後1時まで)
075-323-6777

カフェVAN

●午前3時30分~午後1時/日曜、祝日と水曜休み
●コーヒー300円、ミックスサンド480円、モーニングセット500円など。
075-311-7572

丹波口まるへい

●午後5時~11時/日曜、祝日休み
●京ゆばと壬生豆腐あんかけ630円、旬の野菜を使った家庭料理も多彩。3種盛り1,050円など。オリジナル焼酎「まるへい」も。
075-311-9701

※掲載内容は2011年4月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。

京都市中央卸売市場でこの4月から、毎月第1土曜日に一般市民向けの「食彩市」が始まった。これまで市場内の関連10、11、12号棟で開かれていた「繁盛市」に水産仲卸店舗の塩干物、鮮魚などを加えてスケールアップを図ったこの市は、午前10時の開場と同時に多くの買い物客がどっと広い市場内に押し寄せて熱気むんむん。早速、売り手と買い手の駆け引きが始まった。

この市ではさまざまなイベントが用意されている。なかでも人気はマグロの解体と販売。ノコギリや包丁を使ったプロの技には周りで見学する人から感嘆の声も。魚は切り身しか知らない若い主婦らには魚のさばき方の教室が好評だ。ブリとサーモン、マグロの刺し身に味噌汁、ごはん付きで500円の美造(びっく)り定食には長い列。桂から来たという中年の夫婦は即席のテーブル席で「おいしい。来てよかった」と満足の様子だ。

七本松通花屋町の南、郵便局の角を東に入る12、11、10号棟にはカフェや食事どころもある。11号棟のカフェVAN(ヴァン)では野菜サラダとパン、コーヒーの朝食セットが好評。昼なら各種サンドイッチと飲み物がおすすめだ。市場の関係者だけではなく、一般の人たちも大歓迎とか。

市場の西側、通り名がない通りに築80年の町家で営むおばんざいの丹波口まるへいがある。ここでは定番メニューのほかは、その日に仕入れた食材ごとに当日のオリジナルメニューを考えるそうだが、それが常連の人気を呼ぶ。とにかく「客を喜ばせたい」女将の気配りがクチコミで伝わり、隠れ家的要素も陰の評判になっている。

K-5 + smc PENTAX-DA 17-70mmF4AL[IF]SDM(17mm域)を使用して撮影。絞り優先AE、絞り:F8、シャッタースピード:1/60秒、測光:分割測光、感度:ISO6400、露出補正:+1.3、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:リバーサルフィルム
1大きいマグロが横たわる鮮魚棟の魚屋の店先。ここでは買い物客の足が止まる。
※下の小さい画像をクリックすると拡大表示します。
2「さあ、買ってや。負けとくで」。威勢よくマグロの身を切る鮮魚店は大人気。
 
3塩干棟にも人の波が。スルメ、塩サケ、イクラ、明太子。買いたい品がいっぱい。
 
4千葉キンメ1,800円、鹿児島天然タイ1,200円、長崎アマダイ980円、塩サバ550円などなど。
       
     
5市場のなかとは思えないおしゃれなカフェVAN。向かいにはマキノ食堂、石田食堂も。
 
6落ち着いた座敷で京都のおばんざいが楽しめる丹波口まるへい。2階には大広間がある。
   
 
 
KOKO DOKO 28

山科三条街道を歩く

昔、旅人が行き交った東海道の三条通。
その面影が残る山科のまち。
文・写真 = 内藤靖正
K-5 + smc PENTAX-DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF]DC WR(28mm域)を使用して撮影。絞り優先AE、絞り:F11、シャッタースピード:1/30秒、測光:分割測光、感度:ISO100、露出補正:+0.3、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:風景
1山すそにたたずむ諸羽神社は貞観4年(862年)、清和天皇の勅命で創建された古社。
※下の小さい画像をクリックすると拡大表示します。
2吟醸酒、梅酒「三条街道」を扱う龍野商店。山科の各店では「もてなすくん」をつるす。
 
3そこ、ここに昔の面影が見られる三条街道。山科駅前の繁華なまちとは対照的だ。
 
4毘沙門堂への上り道、諸羽神社への上り道、円光寺の参道などもこの道から分かれる。
       
 
5江戸末期、牛車の動きがいいように大津ー京都間に敷かれた車石。その名残が随所に。
 
6徳林庵の前にある山科地蔵は東海道の守護仏。8月の六地蔵めぐりで最もにぎわう。
 

いま、東海道を東から歩く人が多いという。東京日本橋から京都の三条大橋までの間を個人で、グループで、ツアーの団体で。なかには途中でいったん家に戻り、後日、中断した地点から再スタートする「分割派」も少なくないとか。この日、山科の三条街道で出会った東京都江戸川区の熟年夫婦も、今朝は滋賀県草津市を出発、午後この街道の地蔵堂にお参りしているところだった。

リカーコレクション龍野商店

●午前9時~午後9時/日曜、祝日休み
●吟醸酒「三条街道」720ミリリットル瓶入り1,200円、梅酒「三条街道」(同)1,550円、もてなすくんグッズ(小)300円、(大)1,000円など。
075-581-0130

※掲載内容は2011年4月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。

三条街道は東海道である。もと国道1号の三条通と区別するため「旧三条通」と呼ばれているが、商店街で古くから営む酒屋の4代目・龍野英次さんは、「『旧』というのが嫌いでね。ここは本当の東海道やから、商店会の名称も『三条街道商店会』に変えようと思ってるのや」と話す。この商店会では活性化を図るさまざまな取り組みが行われており、山科ナスにちなむキャラクター「もてなすくん」も山科のまちづくりにひと役かっている。また、青谷の梅と伏見の清酒に焼酎をブレンドした梅酒「三条街道」と、同名の吟醸酒も評判がいいらしい。

三条街道には寺院が多い。東海道を京都へ入るときの厄除け、逆に出発の安全を祈願した徳林庵の地蔵堂は、夏の六地蔵めぐりで最もにぎわうお地蔵さんだ。その西の円光寺、京阪電車京津線とJR線を挟んで北には天児屋根命(あめのこやねのみこと)と天太玉命(あめのふとだまのみこと)を祭る諸羽神社が、さらに北寄りの琵琶湖第一疏水を越えると都七福神の一つ毘沙門堂へと続き、新緑の季節は絶好のハイキングルートになっている。

ないとう・やすまさ
1933年、京都市生まれ。広告代理店勤務の折に趣味ではじめた小冊子が京福電鉄のPR誌になったことなどにより1972年に独立。京福電鉄や東映太秦映画村の広告制作を担当する傍らフリーペーパー「Kyo!」発行。京都ピイアールセンター代表取締役。