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KOKO DOKO 22

御土居と味な店もの西大路御池

秀吉が洛中、洛外を分けた御土居(おどい)。その史跡を訪ねる楽しみな時間。
文・写真 = 内藤靖正

ようしん

●午後5時~11時(10時30分ラストオーダー)/月曜休み(祝日のときは火曜)
●特製つくね串280円、美山栃餅揚げ出し680円、ようしんサラダ830円、季節の土鍋ご飯1,000円~など多彩。
075-841-6292
URL:別ウインドウで表示http://www.youshin-waraya.jp/

わら家

●平日=午後6時~12時(11時30分ラストオーダー)、日曜・祝日=午後5時~11時(10時30分ラストオーダー)/月曜休み(祝日のときは火曜)
●本日のひとしな、海鮮炭火焼き各380円~、わら家カレー830円、海鮮丼1,400円など多彩。
075-841-6290
URL:別ウインドウで表示http://www.youshin-waraya.jp/

TRATTORIA CaRo

●午前11時~午後2時(ラストオーダー)、午後5時~9時(同)/日曜休み
●パスタランチ(サラダとパンつき)750円、スペシャルランチ(同)1,000円、夜=本日のおすすめ930円~、ワタリガニのスパゲティー1,380円など。
075-822-2562

patisserie Emu

●午後0時~8時/月曜休み(祝日のときは火曜)
●御池プリン315円、季節のタルト、モンブラン各420円、ケーキとコーヒーか紅茶セット800円など。
075-406-0008

※掲載内容は2010年8月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。

御土居は、長い間の戦乱で荒れた京都のまちの改造と外敵の進入を防ぐため、また、鴨川のはんらんから守る堤防として、豊臣秀吉が多くの費用と労力を投入して天正19年(1591年)に完成させた土塁である。まちの四方を取り囲む御土居は東が鴨川、北は鷹ケ峰、西は紙屋川、南は九条の辺りまで延長22km余りに及び、要所に七口(10個所の説も)を設けたという。しかし、江戸時代の天下太平の世になると、御土居は次々に取り壊され、現在ではわずか9個所にその名残をとどめるに至り、いずれも京都市の史蹟に指定されている。

西大路御池から1筋東の西土居通を北へ行くと、樹木に覆われてこんもり盛り上がっているのが「史蹟・御土居」のひとつである。通りから続く赤い鳥居をくぐると市五郎大明神があり、横の細い石段を上ると鳥居の奥に小さな祠(ほこら)が点在して、伏見稲荷大社のミニ版といった趣。ここは高さ5mほどの御土居の頂上だ。

御土居のすぐ北にある京和食ようしんは亀岡、美山などの農園で育った新鮮な野菜を使う食事どころ。ほう葉で焼くカレーなど、独自のメニューが評判を呼ぶ。東隣の姉妹店わら家は海鮮と炭火焼きの専門店。観光客が訪れないエリアの知る人ぞ知る隠れ家的名店だ。

西大路御池交差点の角にはおいしいパスタを出してくれるTRATTORIA CaRo(トラットリア・カロ)がある。昼は日替わりのランチが人気だが、夜はカニ1杯の漁師風ワタリガニのスパゲティーなど、おすすめ料理が多彩。とにかく気軽に食事を楽しめるのがうれしい。

ちょっとひと休みは手作りケーキのpatisserie Emu(パティスリー・エミュー)がいい。ここでは季節のフルーツを使った各種ケーキとコーヒーなどで憩いの時間を過ごせる。

K-7 + smc PENTAX-DA 17-70mmF4AL[IF]SDM(70mm域)を使用して撮影。絞り優先AE、絞り:F8、シャッタースピード:1/10秒、測光:分割測光、感度:ISO1600、露出補正:+0.3、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:風景
1うっそうと樹木が茂る斜面に赤い鳥居と祠が。西土居通に面した「史蹟・御土居」。
※下の小さい画像をクリックすると拡大表示します。
2案内書に「電気器具の発明に寄与した市五郎翁を祭る」という市五郎大明神。
 
3見た目も食感も、食材を生かした料理で評判。人に教えたくない名店ようしん。
 
4木と土壁の贅沢な空間。一歩入っただけで「ただならぬ料理」を感じるわら家。
         
     
5パスタもピザもおいしいと人気のCaRo。若い人にも熟年にもファンが多い。
 
6店名のEmuは「感動を与える」の仏語。2月に開店したおいしいケーキの店だ。
 
 
KOKO DOKO 23

隠れ紅葉寺的・鹿王院とその周辺

金閣を造営した足利義満が、それよりも前に建立した鹿王院。
静かな下嵯峨エリアを少々探索。
文・写真 = 内藤靖正
K-7 + smc PENTAX-DA 17-70mmF4AL[IF]SDM(28mm域)を使用して撮影。絞り優先AE、絞り:F11、シャッタースピード:1/13秒、測光:分割測光、感度:ISO400、露出補正:+1.0、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:風景
1山門から続く石畳はカエデのトンネル。11月は紅葉に竹林などの緑が調和する鹿王院。

鹿王院

●午前9時~午後5時
●拝観料300円/女性専用の宿坊は1泊朝食つき4,500円
075-861-1645

パンドレ

●午前7時~午後6時30分/火曜休み
●クリームメロン130円、ベーコンポテチ、タラコフランス各210円、イタリアントマトピッツア240円など。
075-861-9070

新月

●午前9時~午後6時30分/日曜休み
●嵯峨もなか130円、もちどら140円、鹿王院ロール130円、同1本840円など。
075-861-3827

フラワーショップ嵯峨園芸

●午前9時30分~午後6時/木曜休み
●料理に使えるハーブ60円~、ペペロミア350円、各種鉢植え、切り花など多彩。
075-872-4164

※掲載内容は2010年9月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。

※下の小さい画像をクリックすると拡大表示します
2鹿王院の客殿から鑑賞する枯山水。奥に舎利殿、遠くに嵐山を借景する絵画の趣。
 
3菓子パンなどのバリエーションは150種類というパンドレ。23年続く評判の店だ。
 
4材料選びにも心を配る和洋菓子の新月。贈り物用の詰め合わせもバラエティー豊か。
         
   
5昭和通で見かけた野菜販売所。奥の畑のナス、キュウリなど1袋100円~200円。
 
6古い家具をディスプレー。ハイセンスの嵯峨園芸は気軽に利用したいフラワーショップ。
 
ないとう・やすまさ
1933年、京都市生まれ。広告代理店勤務の折に趣味ではじめた小冊子が京福電鉄のPR誌になったことなどにより1972年に独立。京福電鉄や東映太秦映画村の広告制作を担当する傍らフリーペーパー「Kyo!」発行。京都ピイアールセンター代表取締役。

三条通を西へ、嵐山に向かうと、下嵯峨(しもさが)の北寄りに鹿王院(ろくおういん)がある。嵐電(らんでん)を利用すると、ちゃんと鹿王院駅があって分かりやすい。

ここは康暦2年(1380年)に足利3代将軍の義満が建立した禅寺で、枯山水(かれさんすい)庭園に建つ舎利殿(しゃりでん)には源実朝が宋から招来したとされる仏牙(ぶつげ)舎利を安置している。のちの応永4年(1397年)、義満は金閣を造営するが、舎利殿はその金閣を思わせる容姿で嵐山を借景する庭園にたたずみ、「嵯峨の金閣」と称されている。舎利殿の前には三尊仏の石組が配されており、その風情あるたたずまいを客殿から観賞すると、時間の経過を忘れてしまいそうだ。

山門から続く石畳の参道は青もみじに覆われて、11月にはここが赤や黄の紅葉名所であることを教えてくれる。

嵐電の鹿王院駅前にあるパンドレは、おいしいパンを作り続ける評判の店。ベーコンとジャガイモを組み合わせたベーコンポテチ、タラコとジャガイモを混ぜ合わせて焼いたタラコフランスなど、オーナーこだわりの多彩な菓子パン、食パンが人気だ。北隣の新月は和菓子と洋菓子の専門店だ。皮がモチモチ感のもちどら(どら焼き)、珍味きび餅、ふわふわの鹿王院ロールケーキなど、おすすめの和洋菓子がいろいろ。国産の食材にもこだわって地域の人たちに喜ばれている。

昭和通商店街にある嵯峨園芸は、大小の観葉植物があふれるハイセンスの花屋さん。室内の明るい場所が好きなペペロミア、料理にも使えるハーブなど、自分好みを探すのも楽しい。鉢植えや切り花などのアレンジを気軽に引き受けてくれる。