藤里 一郎 Ichiro Fujisato

藤里 一郎
Profile
1969年生まれ。 男っぷりのよい写真、色香あふれる写真を撮る当世一“Hip”な写真家。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、大倉舜二氏に師事、96年独立。以降フリー。 アーティスト“May J.”のコンサートツアー・オフィシャルフォトグラファーとして活動するほか、人気作家・“伊坂幸太郎”の「死神」シリーズのカバー写真をてがける。 2018年度、カメラ雑誌「月刊カメラマン」40周年記念年の表紙を1年間担当し、また、2017~2018にかけてラジオパーソナリティとしての経験も持つ。 書籍として日本写真企画刊「ポートレイトノススメ」も出版している。 また女優・鎌滝えり、アートディレクター・三村漢との10年間毎年写真展を開催するプロジェクトも進行中。年間10本もの個展を開催しリピーターの多い写真展として認知される。2019年新たなシリーズとして「おんな」も始動、新たに「おんな」というジャンルにも挑戦をはじめる。

HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited

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HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited

このレンズ達には形容しがたい特別感があるのをご存じだろうか。まず、馴染みがあまりない焦点距離をラインナップしてくるあたり、PENTAXの個性が溢れ、それぞれが3つの味として担当域で燦然と光り輝く銘玉なのだ。

今回取り上げるのは2本。43ミリと77ミリだ。まずLimitedレンズの佇まいを見る。しっかりと造り上げられた鏡筒にしっくりくるピントリング。ヘリコイドを廻す愉しみがある現代のレンズなんて他に存在するのだろうか…という気持ちになってくる。ピントを合わせる。ピントを送る。そんな作業すらワクワクさせてくれるのだからたいした玉だと思う。
そして、七宝焼きのフィンガーポイントなる「お飾り」も粋なモノ。素敵な青みあるグリーンがアクセントになり、レンズの高級感も演出されている。

まずは43ミリから見てみよう。藤里が常用する標準レンズとされる画角に近いところがとても使いやすい。培われた焦点距離感覚よりほんの少し余分に写るため、楽にフレーミングができる。引きの無い室内などでの撮影では壁にぴったりくっついて引きしろを確保したりするのだが、その余裕がこういう場合に役に立ってくる。となると気持ち的にも余裕を持って撮影に挑めるのだから良く考えられていると感じている。晴れた日の逆光での描写の柔らかさは常に1軍に鎮座するには実力充分だろう。そしてボケすぎない背景描写も好みすぎる。また、最短撮影距離も45cmとくるのだから、距離感を探りながらグッと近づくのにもうってつけだ。

次に77ミリだ。これはもうだれもがポートレイトに最適だ、と口を揃える程の画角域かと思う。だが実は僕にとってはそういう訳でもない。寄りの写真の印象が強い藤里ゆえ、このレンズ実際の最短撮影距離は70cmで物理的には近寄れない。すなわち「ドキドキが少し減る」という事であったりもする。とは言えこのボケ感は癖になる所がある。グッと近寄れば最高にボケてくるし、前ボケもとろけてなくなるような美しさだ。そしてこのボケ感は、作者と観る人を繋ぐ為の「接着剤」のように感じている。そして写真にとって1番大切とも言える「観る人を釘付けにする」ような画力が備わっているからだろう。

繊細かつ少し泥臭いようなPENTAXらしい描写が迫力となって伝わるのは、これらLimitedの最大の特徴であり、最高の特別感なのだ。ぜひこの特別感を独り占めして欲しい。

Sample Images

HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited
by Ichiro Fujisato

Sample Images

HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited
by Ichiro Fujisato