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k-s2


プロダクトストーリー

荒井 孝 (商品戦略部企画推進グループ)

はじめに「PENTAX K-S2」(以下、K-S2)の企画コンセプトを教えてください

K-S2は、携帯性に優れた高コストパフォーマンスの中級機として、既に発売中のK-S1とは異なるコンセプトで企画した製品になります。K-S2の商品企画をスタートするにあたり、中級クラスという製品ポジションを考えると、まず防塵防滴は外せない。実際のリサーチでも、このクラスを検討されているユーザーの利用目的として、旅行や海、山などのアウトドアレジャーというキーワードが上位に来る一方、これらの撮影シーンは天候に左右されることが多く、場合によってはせっかく持っていったのに撮影機会そのものを逃してしまうため、アウトドアで安心して使える防塵・防滴性能を購入時の重視ポイントに挙げられている方が多くいらっしゃいました。その点は、我々がこれまでのKシリーズで培ってきた技術でクリアできるのですが、K-S2では本体の小型化とバリアングル液晶モニターの採用も企画要求しています。可動部が増えるということは、シーリング部材も含めたトータルの部品点数が増えるということですから、そのままでは小型化との両立は難しい。また、Wi-Fiなど新しい機能の実現に必要な部品もサイズアップ無しで搭載したい。基板設計や部品レイアウトを徹底的に突き詰めつつ、必要な箇所にはシーリング部材を追加するスペースを確保する。相反する要求事項を満たすため、設計陣には何度も試行錯誤を重ねてもらいました。その結果、防滴のシーリング部材数はK-3の92点よりも多い100点となったのですが、何とか当初の目標サイズを達成することができました。さらに、Kマウントレンズでは初となる沈胴機構を採用したキットレンズも開発が間に合いましたので、同クラスのデジタル一眼レフの中では、最も携帯しやすい小型サイズを実現することができたと思っています。

バリアングル液晶モニターは、645Zとも違う構造を採用しているようですが?

はい、K-S2では645Zよりも可動部分を大きくして、レンズ側まで反転できるようにしました。ただし、カメラ自体が小型化を目指していたので、かなり制約が厳しい中での開発だったのですが、防滴構造をあきらめることなく、何とか目標のサイズに収まりました。

Kシリーズのデジタル一眼で初めてWi-FiとNFCに対応しました。

ユーザーの方がデジタル一眼レフで撮影された画像の利用方法が、この数年で大きく変化してきていると感じています。新しいニーズに対応するため、K-S2では本体にWi-Fi機能を内蔵することを当初の段階から盛り込んでいました。それから、Wi-Fiをつなぐ際には、接続までにいくつかのステップが必要なのですが、NFC(Near Field Communication)機能を利用することで、カメラにかざすだけでNFC対応のスマートフォンなどと簡単に接続することができます。

いくつか聞きなれない新機能が目につきました。まず、画像処理に追加された明瞭強調という新技術とはどんな技術ですか?

実はこれは、リコー内にある画像処理の専門部署で開発していた技術です。あまり具体的な内容は申し上げられないのですが、単純なシャープネスやエッジ強調処理とは違い、画像内で比較的広い領域に渡りゆるやかに階調が変化していく部分に対しての質感や凹凸感の描写を高める処理をおこなうというものです。例えば、青空にぽっかりと浮かぶ雲などをすっきりと気持ち良い輪郭で表現することが可能です。この明瞭強調は、絞りを絞って被写界深度が深い状態で撮影するときに最も効果を実感しやすいと思いますので、風景や建造物を撮影する際に効果的にご利用いただけると思っています。逆に絞り開放でボケ味を生かしたいときは、ボケ部分の柔らかさが重要ですから、普段はOFFで、必要なときだけONにしていただく仕様にしています。また、K-S2で新たに搭載したA-HDR(アドバンスドHDR)モードで撮影をするときは、常にこの処理が強めにかかった状態でHDR合成画像処理をおこないます。もちろん、従来のHDR合成も選択可能です。

動画撮影モードに追加されたスターストリームとはどんな撮影ができるのでしょうか?

インターバル動画の一種で、撮影枚数の経過とともに、前のコマに写っていたハイライト部分の合成を徐々にフェードアウトしていきます。一般的な比較明合成によるタイムラプス動画では、最初の露光に対して加算していくだけだったのに対して、スターストリームでは移り変わりが表現できるようになる感じでしょうか。また、これまではK-3や機種や645Zでしか撮影できなかった、4Kインターバル動画機能もK-S2で楽しんでいただけます。先ほどの明瞭強調処理を、インターバル動画撮影でも楽しむこともできます。

カメラ上面のWi-Fiボタン、もう一つの役割

これはWi-FiをON/OFFするためのボタンなのですが、実はもう一つ機能を割り当てています。K-S2では、先ほどお話しした通り液晶モニターが180°反転します。ということは、自分自身を構図の中に入れて撮影することができるわけですが、その時は本来の握り方ではカメラが持ちづらくなってしまい、シャッターを押すのが困難になってしまいます。そこで、液晶モニターをライブニューにして、レンズ側に向けた状態にすると、このボタン(自分撮りシャッターボタン)でシャッターが切れるようにしてあります。左手で握りやすく、人差し指でシャッターを押しやすい位置ということを考えた上で、Wi-Fiボタンの配置を決めました。せっかくWi-Fi用のボタンを新設することにしたので、使わないときに有効活用できればという思いで機能を割り当てたのですが、社内では案外好評だったので安心しました(笑)。

K-S2のデザインは、K-S1とかなり異なるようですが

K-S2は、小型化を図りつつもミドルクラスという製品ポジションにマッチするデザインやボタンレイアウトを重視したデザインとしています。具体的には、シンプルで無駄がないことと、ダブル電子ダイヤルなどこのクラスに必要とされる操作系の使いやすさを優先しました。その結果として、どちらかというとK-3やK-5などの上位機に近い、カメラらしいシルエットで、長く使っても飽きのこないデザインとしています。その中で、K-Sシリーズというイノベーションラインとして企画している訳ですから、バリアングルモニターや通信機能系のパーツなどの新機軸も盛り込みつつ、防塵防滴モデルでは世界最小サイズにまとめることができました。

ボディカラーに、これまでにないツートンカラーのモデルが用意されています?

ブラック×オレンジとオーダーカラーのブラック&ピンクですね。これは、よりアウトドア志向にふったデザインにしようということで、アウトドアアパレルで人気の高い色づかいを採用しています。上面にはディンプル加をしたアルミ製のプレートを加えるなど、底面の色以外にも凝ったつくりとしています。また、オーダーカラーもアウトドアを意識していて、ネイチャーコレクションとスポーツコレクション合わせて7種類のボディカラーを選択できるようになっています。

K-S2、カメラとしての実力は?

ベースとなったイメージセンサーと画像処理エンジンはK-S1と共通なのですが、もともと素性の良いセンサーで、チューニングの技術がかなり進歩したこともあり、特に高感度時の色再現などは改善しています。また、ローパスレス仕様ですので、K-5クラスより解像感も良く、高感度ノイズ処理に至っては現行製品でトップレベルの実力だと自負しています。
AFもK-5IIと同じSAFOX X(10)で、中央はF2.8の光束に対応していますので、大口径レンズをよく利用される方も、かなり快適にご使用いただけると思います。もちろん、視野率100%のペンタプリズムファインダーや秒5.5コマの連写など基本性能も充実していますし、このサイズで外部マイク端子も備えるなど、これ1台でかなり多彩な使い方ができるようにしています。

最後に、K-S2の企画担当者として、ユーザーの方々にメッセージをお願いします。

K-S2は、小型化と高いカメラ性能、防滴に加えて、一眼レフの新たな使い方を提案する新機構や新機能も数多く盛り込んだカメラです。見た目はオーソドックスで小型なデザインですが、実際に手に取って触っていただくと、写真好きなメンバーが細部にまでこだわり、しっかりと作りこんだ製品であることを実感していただけると思います。ぜひK-S2と一緒に、新しい場所や新しい写真表現、そして、写真を撮りに行くこと自体を、もっともっと楽しんでいただければと思っています。

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