• ブランド
  • 製品
  • ストア
  • フォトアカデミー
  • コミュニティ
  • サポート

開発の現場から / Challengers

ユーザーインターフェース
~ハードウェアが体の一部のように~

人物紹介

稲塚 雅弘

開発推進リーダー

稲塚 雅弘

真田 慎一郎

メカ設計担当

真田 慎一郎

“グリップを握り、そしてシャッターを切ってみてください。心地よさを感じていただけると思います。”

光学ファインダーを覗いたままの操作性にこだわる

稲塚:光学ファインダーを覗き、想像力を膨らましながら自分だけの画を追い込んでいただけることが、PENTAXの一眼レフカメラの持ち味であると考えています。
K-3 Mark IIIの操作系について特にこだわっているのが、撮影中にファインダーから目を離さずに多くの操作、設定が完結できることです。
さらに、カメラのグリップを握った際に自然に指の掛かる場所に、撮影中に触れる必要のある操作部材を配置することで、意識せずに体の一部のようにカメラを操っていただける製品を目指しました。

イメージ
イメージ

測距点レバーの採用

真田:K-3 Mark IIIでは、APS-Cフラッグシップモデルを名乗るにふさわしい性能とするために、AF測距点数、カバーエリアの拡大をしつつ、追従性能なども大きく向上させています。それらを最大限活用いただくために、Kシリーズで初めて、測距点操作の専用レバーを採用しています。
これまでは十字キーが測距点移動と、ホワイトバランスやカスタムイメージといった設定を兼ねていましたが、今回、より直感的な操作が可能となりました。
測距点レバーは専用の操作部材としていますので、背面液晶にメニュー表示中などでも入力を行うことで撮影状態にすぐさま復帰できます。

稲塚:メニュー操作に関しては、従来のKシリーズ同様に、十字キーと前後のダイヤル、さらに今回新たに採用したタッチパネルでの操作を可能としました。これにより、ファインダー撮影中の操作と、画像再生、編集などの操作系をはっきりと役割分担させることができたと考えています。

イメージ

スマートファンクションの進化

稲塚:K-3 Mark IIIの操作系のもう一つの特長は、「スマートファンクション」の機能選択を、ボタン化したことです。従来はもともと用意されているいくつかの機能の中から任意のものを選択して、設定ダイヤルで変更をするというものでした。
機能選択をボタン化することで、22種類という豊富な候補の中から自分好みのものを最大5種類あらかじめ登録して、電子ダイヤルで瞬時に呼び出すことができるようになっています。

真田:撮影に集中していただくために、この新たな「スマートファンクションボタン」の配置は、撮影中に右手の人差し指が届く一等地に配置する必要があるため、位置調整には非常に苦労しました。ISOボタンや露出補正ボタンとも異なる触感となるように形状や突出量などにもこだわっています。

イメージ

「感性品質」の追い込み

稲塚:快適な撮影感覚が得られるようグリップや、ボタンのレイアウト・形状についても「感性品質」と呼べる追い込みを行っています。
実は、ある機種を開発する頃から、多くの社員の手の大きさやカメラの構え方、ファインダーの覗き方といった特徴をデータベース化しています。その中から特にこだわりの強い10名のメンバーを厳選し、モックアップを使って、グリップやボタンレイアウトなどの検証を行っています。
真田:この利点は短いサイクルで非常にスピーディーに、試作と検証、フィードバックを繰り返せることにあります。もちろん、写真好きが多い社内での、さらに濃いメンバーですからその意見の妥当性については自信を持っています。
一見感覚的ともいえる指摘は、私を含めた専任の担当者が要因を分析したうえで、改善方法を導き出して、モックアップを削って追い込んでいくわけです。
地道ですが、最終的には全員が納得を得られるところに持っていくことができました。これは我々にしかできないアプローチで妥協なき最大公約数にたどり着く手法であると考えています。

イメージ
イメージ

軽快な撮影感覚を目指して

真田:メカの駆動時間自体も短縮し、さらに従来機種で発生していた内部駆動部材の衝突音を抑えるための対策を加えることで、シャッター音の中に含まれるノイズを低減しました。
結果的にとても切れの良いシャッター感覚となっています。

稲塚:縦位置用のバッテリーグリップでも「リーフスイッチ」を採用しており、ボディと同様の操作感になるように調整を重ねています。このバッテリーグリップにはスマートファンクションや測距点レバーも搭載しており、これまでにない充実した機能と高い操作性を実現しました。
これにより、横位置も縦位置も同じ感覚で操作ができるようになっています。

イメージ
リーフスイッチ構造図
リーフスイッチ構造図

最後に

稲塚:これまでのPENTAX製品でこだわりぬいてきた部分を、このK-3 Mark IIIではさらにブラッシュアップできたと自信を持っています。
グリップを握り、そしてシャッターを切ってみてください。心地よさを感じていただけると思います。

イメージ

ページトップへ