PENTAX K-1 Mark IIは、本当に使いやすい。この操作性はK-1から引き継いでいるが、あらためてそのありがたさを噛みしめている。風景・ネイチャーのジャンルにおいても、瞬時に露出の組み合わせを変えて撮影する場面がけっこう多い。動く被写体をとらえたりする時などは、急いでシャッター速度や絞り値を変えるだけではなく、ISO感度も変更したい場面が出てくる。そのような時、ダイヤルを回すワンアクションでISO感度を瞬時に変えられるのは、世の中のカメラではPENTAX K-1 Mark II(及びK-1)をおいて他にない。
そして、リアル・レゾリューション・システム(超高精細画像生成技術)の手持ち撮影対応、5軸5段の高性能手ぶれ補正、AF機能の進化など、高性能の飛躍にも驚かされる。とりわけ、ISO 819200を実現した超高感度性能の飛躍はすごい。高感度ノイズゼロの領域が大幅に拡大しており、今回のサクラマスの滝登り作品などのように、ISO 2000以上の感度設定に何の不安もなくなったのは感動的である。

PROFILE
鈴木一雄(すずき かずお)
自然写真家。1953年福島県生れ。自然界が発している様々な聲を五感で受け止め、その物語を描くことに精力を傾ける。(公社)日本写真家協会会員・日本写真協会会員、日本自然科学写真協会会員。フォト寺子屋「一の会」主宰。日本写真家連盟常任講師。全日本写真連盟関東本部委員。
写真集に「‐日本列島‐花乃聲」「‐日本列島‐季乃聲」「櫻乃聲」「おぐにの聲」「裏磐梯の聲」「尾瀬の聲」「尾瀬しじまの旋律」「裏磐梯彩景」、著書に「‐見たい撮りたい‐日本の桜200選」「デジタル露出の極意」「風景写真の極意」「露出の極意」など多数。「写真による自分史つづり」を提唱。