これまで私は軽いからとかコンパクトであるという理由で、PENTAXを愛用してきた部分が大きかったように思います。
しかしこのK-1 Mark IIの重量感とさまざまな撮影をさらりとこなしてくれる安心感は撮影のキャパシティーをさらに広げてくれそうです。頼りがいのあるペンタの兄貴分といったところでしょうか。
使用していてこのカメラの能力を知れば知るほど、新たな試みにチャレンジしてみたくなりました。

01 北陸本線(筒石駅はトンネルの中)
プラットホームは深いトンネルの中にある珍しい駅。改札口からホームまで長い地下道を5分ほど下って行く。
防空壕のような雰囲気の薄暗い地下道を手持ちで撮影。ぶれる事なく、きめの細かい解像力を見せてくれた。地上で撮るスナップ感覚で撮る事ができた。
使用レンズ: HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR

02 楽しい春祭りの神楽
新潟県上越の中ノ俣は雪深い山の中。5月の春祭りは村人が待ちに待った行事だ。中でも特に人気のあるのが里神楽である。村人と一体となって春を喜び、豊作を願う。祭りが終わると一斉に田植えが行なわれる。そんな祭りの様子の一部始終は15-30mmのレンズとストロボを併用する事でもれなくカメラにおさめる事が出来た。
使用レンズ: HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR

03 光芒の海
江ノ島の橋から西の空と海を撮影。
あわただしく流れて行く雲の隙間から差し込む光芒とカヤッカーがドラマチックな風景を見せていた。しかも手持ち撮影でこれだけのクオリティーが得られるのが心強い。
雲の切れ間のハイライト部分の白飛びもなく、こういう風景に出会っても安心してカメラにまかせられる。
使用レンズ: HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

04 大きく育て
田植えを終えたばかりの妙高山麓の田んぼ。三脚を使用。風が強かったので稲のブレを最小限に押さえるためにシャッタースピードを1/125にした。
植えられたばかりで風に揺れる小さな稲を隅々まで細かく描写する解像力に満足。
使用レンズ: HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR

05 雨に咲く睡蓮
カメラが雨に濡れる睡蓮の花の露出をうまく拾ってくれた(三脚使用)。
同時に濡れた葉の質感を落とさない豊かな階調がすばらしい。
一気に撮影の領域が広がった事を実感した。
撮影条件が良くない場所を撮ってこそ、実力発揮というところ。
使用レンズ: HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

PROFILE
佐藤秀明(さとう ひであき)
新潟県生まれ。日本大学芸術学部卒業。フリー写真家。日本写真家協会会員。
主な著書:「ガクの冒険」本の雑誌社、「地球極限の町」情報センター出版局、「海まで100マイル」晶文社、「鎮魂 世界貿易センター」マガジンサポート、「ユーコン」スイッチパブリケーション、「ノースショア 1970~1980」ブエノブックス、「雨の名前」小学館、「雨のくに」ピエ・ブックス、他多数。
現在は日本の雨と限界集落をテーマに活動中。