心の動いた瞬間を切り取る、撮影者のセンスがダイレクトにフィードバックされる撮影スタイル。
小さなカメラを持ち歩くだけで、かけがえのない日常に気づかされる。
誰もが創造者になれる。そして、世の中が、人生が、きらきら輝いてくる。
そんな思いが込められてファンとともに歩んできたGR。
GR の魅力は、単なるテクノロジーの進化だけでは語れません。
小さなカメラに込めた、ささやかですが熱い思いと大きな夢を、少しでも伝えられますように。
社会との対峙が写真の本質であり、芸術はその結果に過ぎません。そして、偶然が必然に変わる時、それは作品として時間を越えるものになります。画質もレスポンスも、撮影者の意図に反応するための手段です。カメラは脇役でいいと考えます。良い写真は、時代も、国や地域も、使用機材も様々ですが、時間を経ても感動が薄れず、むしろ、より強い力が宿ってくるものです。だから、カメラに大切なことは、ニュートラルであること。撮影者の眼と、手と、心と同化していくことです。
写真は光の記録です。カメラに大切なことは、世の中にある様々な光をありのままに捉えること。過度な演出はしないということでもあります。デジタル技術がどれだけ進化しても、光を集めるレンズ/光学性能こそ、カメラにとって最も重要なものだとGRは信じています。良いレンズを通して切り取られた写真には、質量をも感じる物体の魅力 を伝える力が宿ります。
写真撮影の基本はスナップだとGR は考えます。1秒先にどんなドラマが待っているか。
そこに反応できるかが、写真の魅力であり、奥深さです。スナップを撮ること自体には、プロもアマチュアもありません。求められるのは感性と瞬発力。スナップは、まさに写真の醍醐味が集約されたスタイルです。いつでも、素早く、高画質で応えるカメラを持ち歩くこと。GRは最強のスナップシューターを追求し続けます。
28mm* は、社会を切り取るのに相応しい画角。大切な人やモノを、その周囲も含めて両眼でしっかりと優しく掬い取る視点。まさにスナップシューターに適した画角だと考えます。そして、その画質に一片の妥協も許さないゆえの単焦点へのこだわり。それは、時として撮影者に一歩踏み込むことを求めますが、それもまたスナップ。切れ味の鋭いフットワークでぐっと迫り、また時にはあえて被写体と距離を置くように引く。それこそ写真の神髄ではないでしょうか。
*35ミリ判換算28mm相当
シャッターチャンスへの対応力を考えるとき、ある特定の動作速度だけを取り上げてもあまり意味はありません。いつでも取り出せる携帯性、片手操作を基本としたボタン配置、起動や収納速度、極限まで縮めたシャッタータイムラグ、高速フォーカス、インナーバリア、充分なバッテリー寿命。これらがバランスよく実現できていること。GRは、次の角を曲がったときの決定的瞬間に反応できるカメラ。最高の画質が、最高の機動性を持ったとき、どんな写真が撮れるか?考えてみるだけでも、わくわくしてきませんか?
優れた道具とは、使い手の意図に呼応するように、常に快適なフィードバックをするもの。カメラにおいて、それは俊敏なレスポンス、ホールディング性の良いグリップ、心地よい操作感、最適な操作ボタン配置、用途に応じた柔軟なカスタマイズと考えます。撮影者の意図を反映し、ストレスなくその動作を支援する。使い込むほどに使い手の癖を受けとめ、順応していく。だから、いいカメラほど手放せなくなるのです。そして、時として道具のポテンシャルにインスパイアされて撮影の意欲が増していく、そんな関係になりえたカメラこそが、愛機と呼ばれるのかも知れません。このようなカタログで表せない細部を、GRは大切にしています。
秀逸な デザインとは、デザインを感じさせないものだ、とGRは考えます。良いデザインは本質を語り、持つ人の価値観も語ります。GRは、虚飾を排し 、シンプルで機能的なデザインを突き詰めています。GRのデザインは、ほとんど変わっていないように見えるかもしれませんが、決して“変えない” と決めているわけではありません。常に最高のデザインを目指して進化をさせています。長く使っても飽きず、逆に、体の一部のように愛着を持って手放せなくなる相棒のような存在になりたいのです。
テクノロジーだけでは、人を興奮させることはできても、繰り返し人の心を揺さぶり続けることはできません。そこに愛情がどれだけ注ぎ込められているかが、重要だと考えます。技術力だけに依存したものや、マーケティングのテクニックだけで工夫したモノ作りではない、本当に信じるものを信じて生まれたGR。小さなカメラで記録された一枚の写真が、多くの人の心を動かすことが、私たちをも感動させ、次なる挑戦への力を与えられるのです。
GRの歴史は、反骨の歴史ともいえます。便利なズームレンズに見向きもせず、広角単焦点を採用し続ける。新製品ラッシュの中でも2 年間モデルチェンジをせず、ファームウェアによる機能拡張でカメラの成熟を図る。一見すると地味で無骨、モデルチェンジしても代わり映えしないデザイン。それらは、ブームやトレンドに対してのアンチテーゼでもありました。そのバックボーンにあるのは、写真を愛してやまない人たちの声。その意味では、GRの歴史は、写真を中心に繋がるユーザーと作り手の対話の軌跡です。GRである限り、常に本質を見極めて普遍的な価値を創っていくことを目指した、作り手の情熱の軌跡でもあるのです。
メーカーにとって「世界一」という言葉は甘い誘惑。
しかし、それ自体に意味はないと私たちは考えます。
仕様に表せない細部を大切に考えます。
安易にトレンドを追いかけません。「GRらしいか?」。
それのみを基準に、いつも自問しながら、新しい価値を創り出していきたいからです。
機能に裏づけられた形こそ、長く使える道具として残っていくもの。
デザインを感じない、まるでそれが前からそこにあったかのように感じられるものを目指して。
いかに長く使ってもらうかを第一に考えていきたい。
私たちは、すでに買っていただいたお客様ひとりひとりをいつまでも大切にします。
GRを打ち破るのはGR。常に新しい提案を試みていきたいと思っています。
ユーザーの期待を超えること。それもGRの役割であると考えています。
小さなカメラに込めた、大きな思い。
少し大げさ過ぎるように感じるかもしれませんが、昨今のカメラ・写真を取り巻く環境の中で、
ひとつくらいこんなカメラがあってもいいのではと思います。
ここで紹介したGR STORYのどこかに共鳴し、一緒に育ててくれる方がいる限り、
これからもGR は進化していきます。
GRを持って旅に出る。コミュニケーションが生まれる。
そして、今日もまた、心を揺さぶる写真が世界のどこかで生まれる。それが私たちの願いです。
PHOTO "GR" APHER —いつもフォトグラファーの真ん中に。GR。