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リコーイメージングスクエア銀座で開催の今野徳好写真展 今回はリコーイメージングスクエア銀座のギャラリーA.W.Pで開催の今野徳好写真展をレポートします。
憧れのロバート・フランクのポートレートと
トークショーで語る今野氏
今回の写真展のタイトル「垂ずる銀幕」とは 今野氏の作品「垂ずる銀幕」はモノクロームのゼラチンシルバープリントです。1970年代から2005年までの作品で構成されていて、銀塩の含有量の多かった時代の印画紙による価値あるプリントです。作品の奥底にあるものとは何なのか。このタイトルの意味を理解すると合点がいきます。「しずるぎんまく」と読みます。銀幕とは映画を上映するためのスクリーンです。若い方には理解ができないかもしれませんが、街頭テレビの時代に場外での映画上映会が行われていました。広場に立てられた大きなスクリーンに写し出された映像は実在ものではありませんが、見ているとその世界に吸い込まれます。実像と虚像、夢と現実の狭間にあるのが映し出された映像ということなります。この作品群は作者の立ち位置を夢と現実の狭間におき、作者の直観的な感覚を頼りに制作されています。曖昧な一枚のフィルターをとおして見ているのです。これはロバート・フランクの写真制作に通じるものがあります。今野氏はそれを手づくりの写真集で表現しています。この写真集を見ていくうちに理解が進みます。 今野徳好写真展「垂ずる銀幕」
今野氏が手作りした写真集
今後の作家活動について 写真展のなかに「肌理の図像」というカラー作品が3点あります。「きりのずぞう」と読みます。「肌理」とはプリントの表面のテクスチャーのことです。今野氏はデジタル画像については早くから手掛けていました。デジタルの作業は一般的に計算された目標があるといえます。今取り組んでいるのはそういった既成概念を払拭する挑戦です。デジタル処理であるが、偶然にできあがったものが好きか嫌いかといった単純な判断によって紡ぎだすという愉しい制作過程です。今までにないこの新しい手法による作品群に新たなるタイトルをつけたいと意欲を燃やしています。 今野徳好写真展「肌理の図像」
写真界の巨匠ロバート・フランクを知る ロバート・フランクの作品を世に知らしめたのは元村さんが発刊した出版物にあります。「The Lines of My Hand」「Flower is…」「THE AMERICANS,81 contact sheets」です。今では貴重なこの写真集を期間中にご覧いただけます。今野氏の作品やロバート・フランクの写真集の購入も可能です。ぜひこの機会をご利用ください。また、6月11日から7月5日の会期でニューヨーク在住の映画監督の日比氏が元村氏とふたりでカナダのノバスコシアにロバート・フランクを尋ねて撮影した「A WEEKEND MITH MR.FRANK」がビームスジャパン5Fで上映されます。詳細は下記サイトをご覧ください。 元村和彦氏が編集発行したロバート・フランクの写真集
「A WEEKEND MITH MR.FRANK」上映情報は下記サイトをご利用ください。 |