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連載コラム 写真三昧 SHASHIN ZANMAI
プロフィール

 

安藤 智仁
あんどう ともひと

 

日本大学芸術学部写真学科で写真を学ぶ。カメラ片手の鉄道の旅を愛する。東京の懐かしい風景を集めた「東京レトロ」をライフワークとして活動中。愛機はPENTAX 645D。リコーイメージング(株)販売サポートチーム所属。
現在全国で開催されるフォトセミナーの講師として活躍。フォトマスターEX。夜景鑑賞士2級。2014年3月写真展「Andy's Photo JourneyⅤ」を開催予定。

リンク ペンタックスファミリー 光と色の反射率 by Dr.M

K-3のインターバル合成で星を撮る

春以来すっかりこのコラムもご無沙汰をしてしまいました。皆さんこの一年間良い写真ライフを過ごせましたでしょうか。

さて本格的な冬がやってきました。東京も今年は一段と厳しい寒さです。でも冬は空気が澄んで星がクリアに見える、絶好の天体観測シーズンでもあります。しっかりと防寒対策をして星空に臨んでみましょう。そしてこの冬、K-3の「インターバル合成」を使って一味違った「星景写真」にトライしてみませんか。

K-3が発売された時に話題になったK-3の「インターバル合成」機能は、「比較明合成」という特殊な合成方法で、街灯りなどの明るい場所でも長時間露出で星の日周運動の写真を撮ることができます。従来はPC上でソフトを使って合成するのが一般的でしたがK-3ではカメラの中で撮影時に完結することができます。決して難しくはないのですが、いくつか押さえるポイントがあります。少し長くなりますがお付き合いください。

1.事前のセッティング

液晶モニターは少し暗めの設定にしておきます。(詳細MENU1)これは暗所でモニターを見ると実際以上に画像が明るく見えてしまい、露出判断を狂わせることを軽減します。撮影MENU2から「長秒時NR」をオフにします。これがオートやオンになっていると上手く撮影が進まないことがあります。またコントロールパネルから「SR(シェイクリダクション)」もオフにします。露出モードはM。記録形式はSDカードに余裕があればRAWにしておきます。

2.構図決定とピント合わせ

暗いので構図決定はライブビューが便利です。地上の風景については、極度に強い光が当たっている部分は白とびしてしまう可能性があります。これはいくつかのシーンで試して経験値をつけてください。ピント合わせは風景の最も遠い遠景で行うことをおすすめします。ライブビューで合わない場合でも位相差AF(ファインダー)ならばかなり暗くてもピントが合います。合焦したら必ずフォーカスモードレバーを「MF」にします(ピントリングやズームリングに触れないように注意してください)。

3.露出決定

絞り・シャッタースピード・ISO感度を組み合わせながら露出を決定します。絞りは被写界深度を考慮しながら、目安としては開放から1~2段程度、ISO感度は100~400くらいの間。これをベースにシャッタースピードを変えながら地上の風景が適切な明るさになるように調整していきます。この「地上の明るさ」については基本的に「好み」でいいと思います。ただ暗所で液晶モニターを見ると実際以上に明るく見えてしまうので、そこを考慮しながら判断してください。一枚、普通に撮影してみます。拡大再生して、星が小さくでも写っていればとりあえずOKとして次のステップに進みましょう。

4.インターバル合成の設定

ドライブモードから「インターバル合成」を選択します。合成方法は「比較明」を選択します。「途中経過保存」にチェックを入れておきます。これは途中でクルマのヘッドライトの光が入るなどトラブルが起こったときに、そこまでの結果が使えることで救済になります。

ここが間違えやすい部分なのですが、「撮影間隔」は「3.」で決定した露出のシャッタースピード「+2秒」、間隔を空けてください。シャッター速度が4秒ならば「撮影間隔」は6秒ということになります。この「撮影間隔」と「撮影回数」を掛け算すると、合計の露光時間が算出できます。逆算すると

  • 「20分のインターバル合成をしたい」 -> 20分 = 1200秒
  • 露出決定でシャッタースピードは「4秒」とした。 -> +2秒で撮影間隔は「6秒」
  • 1200秒÷6秒 = 「撮影回数200回」

ということになります。

※長時間露光時のシャッタースピードは表示上の時間と実際の時間が異なってきます。以下を目安にしてください。
カメラの表示15秒 = 実際の時間16秒
カメラの表示30秒 = 実際の時間32秒

これで準備完了です。実際にシャッターボタンを押して撮影を開始します。実際に撮影した画像を見てみましょう。

撮影データ カメラ:K-3、レンズ:smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5ED[IF]、露出モード:M、シャッター速度:20秒、絞り:F5.6、ISO感度:250、記録形式:RAW、カスタムイメージ:太陽光

インターバル合成の設定 合成方法:比較明、途中経過保存:オン、撮影間隔:24秒、撮影回数:75回(合成時間は24秒×75回 = 1800秒 = 30分相当)、手ぶれ補正:オフ、長秒時NR:オフ

RAWデータからカメラ内RAW展開(キー+2/コントラストシャドー側-4)

「ふたご座流星群」を狙いましたが、オリオン座の下に小さく一筋流れました。3回トライした中の2回目です。なるべく星空を広くカバーをして撮影をしたかったのでフィッシュアイを使いましたが、こんな風にレンズが自由に選べるというのもK-3のインターバル合成の魅力のひとつです。

これからまだまだ寒さは厳しくなりますが、空気はますます澄んで星が綺麗に見える季節がしばらく続きます。帰り道に夜空を見上げるとオリオン座を中心にふたご座やぎょしゃ座など明るい一等星を抱えた星座が輝いています。「インターバル合成」はある程度街灯りの中でも写りますので、ご自宅のベランダや近くの公園など、身近な場所でも比較的簡単に撮影ができます。年末年始でお休みの方はこの機会に試してみませんか?その際はしっかりと防寒対策をお忘れなく。

ではでは皆様、よい年末年始をお過ごしください。2015年も皆さんが良い写真ライフをお送りいただけますよう願っています。