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連載コラム 写真三昧 SHASHIN ZANMAI
プロフィール

 

池永 一夫
いけなが かずお

 

東京写真大学卒(現・東京工芸大学)、写真大好き人間。一日一写、写真俳句を日々の楽しみにしている。リコーイメージング株式会社リコーイメージングスクエア銀座所長。武蔵野美術大学の非常勤講師を勤めるなど、カメラ、写真の講師としても活躍中。一滴会同人。

リンク ペンタックスファミリー 光と色の反射率 by Dr.M

Q10で春の京都を写す

ミラーレス一眼のQ10は驚くほどの超小型軽量ボディと驚異の高画質が特長です。写りに関するスペックは画素数と撮像素子(センサー)が大きいほど有利ですので、撮像素子がクラス中とても小さな1/3.2型のQ10の写りがどうなのかと心配するのも当然です。しかし、その常識を覆すほどの写りがこのカメラにはあります。携帯性と高画質のふたつを手にしたときの喜びは例えようがありません。最近はQ10をメインカメラとして本気モードで使っています。

02 STANDARD ZOOM(標準ズーム)

02 STANDARD ZOOM
(標準ズーム)

06 TELEPHOTO ZOOM(望遠ズーム)

06 TELEPHOTO ZOOM
(望遠ズーム)

今回は桜咲く京都を写してきましたので、その写りをご覧ください。使用レンズは「02 STANDARD ZOOM(標準ズーム)」と「06 TELEPHOTO ZOOM(望遠ズーム)」の2本勝負です。

なお、今回の写真は銀座のフォトギャラリー「リコーイメージングスクエア銀座」9階でプリントファイルをご覧いただけます。
また、リニューアルオープンした8階ギャラリーゾーン「A.W.P」もあわせてご利用ください。

※ただいま「A.W.P」ではオープニング企画写真展を開催中です。是非お立ち寄りください。

 

06望遠ズームで足元を

どこにいっても満開の桜に花酔いという言葉がぴったりです。目線を足元に移すと春の息吹のなかに桜の花びらがひとひらあったので、望遠ズームでアップにして写しました。拡大再生して驚いたのはスギナの葉先についた水滴です。肉眼でも気付かなかった水滴がはっきりと写っています。その写りのよさはレンズの解像力によるところが大きいのです。

撮影データ:06 TELEPHOTO ZOOM(35mm換算244mm)、プログラム自動露出(F2.8・1/500秒) +0.3EV、感度ISO200、カスタムイメージ:鮮やか、ホワイトバランス:AUTO

06望遠ズームでしだれ桜をボリューム感たっぷりに

望遠レンズの大きな役割の一つに、遠近感の圧縮効果により花のボリュームをだせることがあります。そのポイントは、撮影距離と望遠レンズの焦点距離の設定にあります。望遠レンズは、望遠にすればするほど圧縮効果が大きくなりますが写る範囲が狭くなってしまいます。そこで、確保できる撮影位置から写る範囲をズーミングすることで調整します。この撮影はズームレンズの中間域の23.5mmです。ズームレンズに刻まれた数字が焦点距離です。拡大してみていただければその写りの確かさがわかります。

撮影データ:06 TELEPHOTO ZOOM(35mm換算131mm)、プログラム自動露出(F3.5・1/320秒)、感度ISO100、カスタムイメージ:鮮やか、ホワイトバランス:AUTO

02標準ズームで精密描写

撮影データ:02 STANDARD ZOOM(35mm換算69mm)、プログラム自動露出(F4・1/100秒)、感度ISO320、カスタムイメージ:鮮やか、ホワイトバランス:AUTO

苔むした桜の老木を狙いました。このような撮影では精密描写を心がけます。レンズの絞りを絞りたくなるところですが、Q10はセンサーが小さいので絞りすぎに注意します。そこで露出モードをプログラムオートにしておけば、シャープに写すための絞りを自動で設定してくれるので便利です。感度設定もオートにしておけば、手ぶれしないシャッター速度を選択してくれるので安心です。今回の撮影はすべてプログラムオートにしています。まずは標準ズームの写りをご覧ください。

06望遠ズームで切り撮る

しだれ桜は京都を代表する花です。屋根にしだれた様は見事です。06望遠ズームで屋根と建物をバランスよく構成しました。06望遠ズームは開放F値が2.8と明るく、ズームしてもF値が変わらないF2.8通しですから、このレンズの小ささは目を見張るものがあります。ほとんど02標準ズームと同じ大きさで、フィルター径も40.5mmと共通です。抜群の携帯性はうれしいかぎりです。これもセンサーが小さいことの特長の一つです。

撮影データ:06 TELEPHOTO ZOOM(35mm換算104mm)、プログラム自動露出(F4.5・1/250秒)、感度ISO100、カスタムイメージ:鮮やか、ホワイトバランス:AUTO

02標準ズームでユキヤナギを写す

京都府立植物園でユキヤナギを写しました。センサーが小さいデメリットとしてボケ(BOKEH)を引き出せないということがあります。そのかわりに手前から奥まではっきりと写せるメリットがります。そこで絞りを開放で撮影してみると背景が程よくボケていて、立体的に描写されていることがわかります。ピントが深いといえどもこのようなシーンではボケも活用できます。そのためピント合わせは正確に行うことが大切です。AFモードはピンポイントにフォーカス点を設定できるAFセレクトを使っています。

撮影データ:02 STANDARD ZOOM(35mm換算53mm)、プログラム自動露出(F3.5・1/160秒) +0.7EV、感度ISO100、カスタムイメージ:鮮やか、ホワイトバランス:AUTO