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連載コラム 写真三昧 SHASHIN ZANMAI
プロフィール

 

池永 一夫
いけなが かずお

 

東京写真大学卒(現・東京工芸大学)、写真大好き人間。一日一写、写真俳句を日々の楽しみにしている。リコーイメージング株式会社リコーイメージングスクエア銀座所長。武蔵野美術大学の非常勤講師を勤めるなど、カメラ、写真の講師としても活躍中。一滴会同人。

リンク ペンタックスファミリー 光と色の反射率 by Dr.M

RICOH GXRで新緑を写す

高原レタスで有名な長野県川上村に廻り目平キャンプ場がある。岩登りのメッカともいうべき場所で、なるほどと思わせる魅力的な岩がたくさんある。ここは海抜が1,500mもあり、麓と比較するとずいぶんと気温差がある。近くには日本百名山の金峰山(2,599m)がある。今回の撮影機材はGXRにGR LENS A12 50mmF2.5MACROを装着した。

GXRとは

カメラの種類からするとミラーレスになる。カメラ本体にレンズ、センサー、画像処理エンジンが一体となったカメラユニットを装着するシステムで、5種類のユニットと拡張ユニットがある。今回はA12 50mmF2.5 MACROを使用したが、この焦点距離の50mmは35mm判の換算値であり、実際の焦点距離は33mmである。また、センサーは有効画素数約1230万画素のCMOSで、サイズが23.6mm×15.7mmと大きい。また、アクセサリーの液晶ビューファインダーVF-2を装着して撮影した。

新緑を写す

訪れた6月3日の森はやわらい緑色で、新緑の季節を迎えたたばかり。金峰山荘前からの岩山とキャンプ場の白樺林を写す。RAWで撮影したあとフォトショップのエレメントのCamera RAWプラグインソフトで現像した。データそのものは非常にフラットで豊かな階調をもつ。RAWデータの調整はメリハリ感がでるようにした。遠景の木々もしっかりと写っていて遠景描写の確かさがわかる。いずれも手持ち撮影である。なんといっても小型軽量なので山歩きにぴったり。

岩場にミツバツツジが咲く。撮影データ:絞り優先(F8・1/90秒)-0.3EV、感度ISO250、ホワイトバランス:マルチパターンAUTO
露出補正を戻し忘れて露出不足となったが、RAWデータを現像する際に調整した。撮影データ:絞り優先(F8・1/190秒)-2.0EV、感度ISO250、ホワイトバランス:マルチパターンAUTO

金峰山へは釜無川を左に見ながら進むと川が二股になり丸太の橋が掛けられている。ここが金峰山の登山道の入口である。6月4日に渓谷に入ったが、シャクナゲが最盛期を迎えていた。撮影中に雨が降り出し、岩が濡れて願ってもない条件となった。

対岸にシャクナゲを見つけた。撮影データ:絞り優先(F8・1/75秒)-1.0EV、感度ISO250、ホワイトバランス:マルチパターンAUTO

森を写す

登山道はいきなり急峻で堪える。5月に訪れた時はまだ残雪があり、標高2,000mのところで引き返した。ちょうど倒木の株に苔が生え、時間の経過を感じる。私の好きな題材でもある。A12 50mmF2.5MACROは細かなところまで克明に描写でき気持ちがよい。マクロ撮影はレンズ先端から約7センチの接写ができる。最大撮影倍率は1/2倍である。マクロ撮影ではピント合わせが難しくなるが、GXRにはフォーカスアシストの機能がある。ピントが合うと液晶モニターに写しだされた画像の輪郭部に白い縁取りがつく。この機能はマニュアルフォーカスだけでなく、オートフォーカスでも役立つ。オートフォーカスでピントを合わせたあと、フォーカスロックをして体を前後に動かすと、ピントの芯をどのあたりにおくかがつかめる。また、開放絞りがF2.5と明るい為にボケを活かした撮影を楽しめる。この白い植物は木に寄生する苔の一種と思われる。寄生していた枝ごと落ちていた。絞りはF4に設定したためにピントが浅い。

拡大して見るといろんなものが写っている。撮影データ:絞り優先(F8・1/30秒)-0.3EV、感度ISO250、ホワイトバランス:マルチパターンAUTO
フォーカスアシストでピントの芯を決める。撮影データ:絞り優先(F4・1/60秒)0.3EV、感度ISO250、ホワイトバランス:マルチパターンAUTO