料理の写真を撮る時は、白いお皿が白くキレイに写るように明るくしたりホワイトバランスを変えるのが基本ですが、撮影する料理によっては肝心の食べ物が冷めているかのようにあまり美味しそうに見えない場合があります。今回は、そんなさみしい料理写真から抜け出す方法をお教えします。
料理写真を撮る時は、お皿の白さが引き立つ明るさで、濁りのない白さになるホワイトバランスで、料理全体がわかるようにあまりボケさせない……という基本があるのですが、お店のメニュー写真を撮るわけではないのですから、私たちが撮る時はもっと冒険してムードのある写真に挑戦してみましょう!
作例はできたてのパンケーキです。あまり撮影に時間をかけるとバターは溶けきってしまいますし、冷めて美味しくなくなってしまうので、素早くささっと撮影しましょうね。
まずカメラ側の設定ですが、明るさは少し明るめの方がおいしそうに見えるので露出補正を+1にします。テラス席などでかなり明るい場合は+0.3~0.7辺りで調節してみてください。今回は店内でサイドから少し自然光が入る状況でした。
そして、今回のポイントでもあるホワイトバランスですが、太陽光か曇天に設定してみてください。オートモードで撮るよりもほんの少しですが赤味がさしてパンケーキの温かみが増したと思いませんか?
あまり赤味を足し過ぎてしまうと単なる失敗写真になってしまいますので、お皿の白い色がほんのりクリーム色になるくらいを目安にしてください。
ピントは上に乗っているバナナに。前後がボケるように絞りは開放(一番小さい数値)で撮りました。
毎日のランチ、がんばって作ったディナー、休日のホッとできるカフェタイムなど料理を撮影する機会は多いと思いますので、ぜひこのテクニックを使って温かい美味しそうな料理写真を撮ってみてくださいね!
東京都出身。モデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味がわき写真を学ぶ。作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し、様々なジャンルの写真家の作品と撮影現場に触れる機会を得る。2010年に独立し、現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活躍中。撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。