ちょこちょこと動き回る小動物ほど愛らしいものはありませんが、小ささゆえにピントが合わせにくかったり、低い位置にいるので表情が見えなくて撮影をしにくかったりしますよね。今回はそんな小さくて動く被写体を上手に撮る方法をお教えしましょう!
小さな被写体を上から撮ってしまうと、表情どころか何の動物かもよくわからない写真になってしまいます。そこでしゃがんで斜め上から撮る方も多いと思いますが、ここは思い切って腹這いになる覚悟で、とにかく姿勢を低くして撮ってみましょう。
ライブビューを使えばカメラを地面すれすれに設置することができ、自分は液晶が見える低さまで姿勢を下げればいいのでそれほど不恰好にはなりません。とは言っても、撮っているうちに夢中になって自分もどんどん床に近付いて行っちゃうんですけどね(笑)。
このように低姿勢で撮ることによって、上からでは見えなかった被写体の表情を捉えることができるようになります。被写体の目線と同じ高さにカメラを構えることは、犬やネコやハムスター、赤ちゃんなどにも共通する、自分より小さい被写体を撮る時の基本姿勢と覚えておいてください。
動き回る被写体を撮影するときは動体予測AFを使用して撮影しましょう。動体予測AFとは、カメラによって名称は異なりますが「AF.C」のようにメニューに表示され、「コンティニュアスモード」、「コンティニュアスAFサーボ」、「AIサーボ」などと呼ばれています。
このモードを使うと、シャッターボタンを半押しにしている間はピントを任意の被写体に合わせ続けてくれるので、動いている被写体を撮りたいときにオススメです。慣れるまでは使いにくいと思ってしまうかもしれませんが、せっかくカメラに付いている便利な機能なので、ぜひ使いこなせるようになりましょう!
使用するレンズは短焦点レンズか、ズームレンズの場合は望遠側にしましょう。ズームレンズの場合、広角側を使うとレンズの端のほうに歪みが出てしまうことがあったり背景がボケにくくなりますので、自分が下がれる所まで後ろに下がって望遠側を使って撮影します。
絞りは開放からF4.5くらいにして、背景をなるべくボケさせるようにしましょう。そのほうが主役の被写体が浮き上がるように目立って見えます。
まだ撮影に慣れていない方は、あまり絞りを開けすぎるとピントの合う範囲が狭くなって、肝心の‘目’にピントが合わなくなってしまうかも知れません。慣れてくれば絞りを最大限に開けた開放絞りでもピント合わせができるようになりますが、自信がない方は絞りをF4.5~5.6くらいまで絞って、ピントを合わせる練習をしてみましょう。その際の注意点ですが、絞りを絞るとシャッター速度が落ちてしまいますので、ISO感度を上げるなどして速いシャッター速度を得るようにしてください。
さぁ、ここまで設定ができたら後は被写体のかわいらしい動作を引き出すのみです。レンズを支えている左手にエサを持って見えるように動かしてみたり、カメラを構えながら鳴き真似をしたりして愛らしい表情を引き出しましょう!
東京都出身。モデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味がわき写真を学ぶ。作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し、様々なジャンルの写真家の作品と撮影現場に触れる機会を得る。2010年に独立し、現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活躍中。撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。