• ブランド
  • 製品
  • ストア
  • フォトアカデミー
  • コミュニティ
  • サポート

第6回
ハードモノクロームをPENTAXだから撮ることができる撮り方で撮り残す!

デジタルフィルターをかけた作品とRAWデータを同時に残すお得な撮影術

私は古い建造物や物、枯れた植物といった、一見、カラーでは汚く見えてしまうようなものをモノクロで撮影することが好きです。なかでもPENTAX K-1、K-3 II、KP、K-70などのデジタルフィルターに採用されているハードモノクロームで撮ったモノクロ作品が大好きです。

とは言え、やっぱりカラーでも同時に作品は残しておきたい・・・という気持ちもあります。「RAWデータで撮っておけば、撮影後にPC上でモノクロにできるじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、RAWデータで撮影してもPC上でハードモノクロームをかけることができません。(カメラ内RAW現像を使えば、撮影後にハードモノクロームをかけることはできます)

私にとって撮る楽しさとは、現場で見た印象を自分のイメージ通りに残せたかどうかです。現場で見た印象からハードモノクロームで撮って残したいと思ったイメージを、現場でモニターの画像を確認しながら残すことができることは大変うれしいことです。特にハードモノクロームの場合は高感度で撮影したときのザラツキ感のある味わいが好きなので、撮る時は必ず露出のブラケット撮影とISO AUTO(ISOの上限を51200や102400に設定)機能を併用し、露出の上下と高感度側でも撮るように絞りで調整して撮ります。

話を戻しますと、デジタルフィルターをかけた作品(例えばハードモノクロームで撮ったモノクロ作品)とカラー作品を残すためにRAWデータを同時に残したいという想いを実現する方法があります。記録設定をRAW+にして、RAWデータとデジタルフィルタをかけて撮った作品をJPEGデータで同時に残す方法です。

まとめますと、PENTAXだから以下のように撮影してデジタルフィルターをかけた作品(この場合ハードモノクロームのモノクロ作品)とカラー作品を残すためのRAWデータを残すことができるのです。

  • RAW+に設定 ⇒ デジタルフィルターをかけた作品とRAWデータを同時に残すため
  • デジタルフィルターからハードモノクロームを選択 ⇒ モノクロ描写でも好みのハードモノクロームに
    するため
  • ISO AUTO上限を最大(102400など)に設定 ⇒ 画面内にザラツキ感を出すため
  • ブラケット撮影で露出の上下を設定 ⇒ 明るさのイメージを変えるため

*デジタルフィルター内の他のフィルターでも、記録設定をRAW+とすることでフィルターON/OFFの両方のデータを残すことが可能となります。

写真1

無機質な壁がライトに照らされ、ちょうどそこに人影が・・。ハードモノクローム+ISO AUTO(12800)+ブラケット撮影だから自分のイメージ通り撮影できた作品だと思っています。

写真2

毎年秋には小舟をチャーターして枯れ蓮を撮影しています。カラー作品も良いのですが、私はハードモノクロームのこのザラツキのある空気感が大好きです。早朝で暗かった時にブラケット撮影能を使い露出補正を+3.0、ISO 102400だから残せた作品です。

写真3

太陽が燦々と照っていた真昼の頃、空の雲と像を見上げた時に閃いた作品です。カラーだと真っ白に穴が開いたような作品になってしまうのですが、ハードモノクロームで撮ると、平和を意味する左手の先に光を持ってくるように撮ることにより、このような作品にできました。この光の穴の大きさは露出の上下でコントロールできます。

C-PLフィルターでコントラストをコントロールしても面白い

持っていれば、C-PLフィルター(円偏光フィルター)をつけてコントラストをコントロールしながら、わざと高感度になるように私は撮影します。ぜひ新世界の描写作品を残すことをお試しください。

プロフィール

まえのかつみ

1968年3月4日大阪生まれ。学生時代からカメラ片手に世界中を旅し、日本から世界各地まで世界遺産および自然風景を'体感'する撮影活動を実施中。2003年より、フランス、アメリカ、中国、ボルネオで作品を数回発表。その後はパリのインテリアメーカーのテオジャスマンと契約。作品をパリでトートバック、スカーフなどグッズ化し販売。日本でも自分のブランド「avan K」(アヴァンケー)を立ち上げ、グッズをyouyouフォトメイド や各地で販売。また友遊撮影倶楽部を設立、埼玉、東京などで教室を11運営中。ネット教室「日本カメラyouyouフォトの未来教室」も業界初の形式にて創設。写真集には「古代蓮」シリーズや「レンゲショウマ」シリーズがあり、「写真が変わる魔法の撮影術」では自分の作品のレベル感を簡単に変えたい人向けの解説を行っています。

ページトップへ