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第3回
風景からスナップ撮影に、その瞬間役に立つ露出操作系

瞬間的に大幅にISO感度設定を変更でき、スローからハイスピードのシャッターを切ることができる

PENTAXだから撮影できる作品、と語る上で昔から続くハイパー操作系(2ダイヤルオペレーション)のように、PENTAXならではの使う人のことを考えた理にかなった操作系の話を欠かすことはできません。その操作系の中でも、今回は特に露出操作系に関してのお話をさせていただきます。

2016年7月22日発売のPENTAX K-70を購入して、今さらながら私はへぇ~と驚いたことがあります。それはグリーンモードボタンとISOボタンの場所の違いです。ボタンの配置には、K-7、K-5、K-3、K-1と続く流れと、K-30、K-50、K-S1、K-S2と続く2つの流れがあることを知らなかったからです。

PENTAX K-70のグリーンボタンと十字キー割り当てられたISO感度

PENTAX K-1のグリーンボタンとISOボタン

K-70のグリーンボタンとISOボタンの配置は後者の方の流れと同じです。シャッターボタンのすぐ後ろにグリーンボタンがあり、ISOボタンは十字キー▲にあります。K-70を購入するまでは、前者の流れで、ISOを変更したい時はシャッターボタンのすぐ後ろにあるISOボタンを押し、後電子ダイヤルを使い変更をしていました。ISOをAUTOにしたい時にはカメラの背面にあるグリーンボタンをISOボタンを押した後に押していました(ISO AUTOの下限と上限はあらかじめ設定する必要あり)。ISO AUTOの解除は、ISOボタンを押し選択している間に後電子ダイヤルを回すだけという利便性の高い操作性でした。

この機能は主に低感度で風景写真を撮っている最中、人や鳥が画面内に突然入ってきて、瞬間的に早いシャッタースピードで撮りたい時に私は使っています。低速シャッター(低感度)~高速シャッターISO AUTO(高感度)への大幅な変更時に効果的な操作です(逆も可能)。


熊本県長部田海床路の日暮れに奥の雲仙岳から手前の道までピントを合わせて風景として撮りました。
焦点距離:60mm、シャッタースピード:1/25、絞り:F20、露出補正:-0.7、ISO:100

親子が海床路に入ってきて歩き出したので、急いで絞りを開放にし、十字キーのISOを2回押し、ISOをAUTOモードに変更して撮影しました。子供の影がライトに入る位置で撮ることができました。
焦点距離:153mm、シャッタースピード:1/5、絞り:F4.0、露出補正:±0、ISO:1600

その後潮が満ちてきたので、光のラインをメインにスローシャッターで風景として再度撮影をしました。 焦点距離:60mm、シャッタースピード:20秒、絞り:F5.0、露出補正:±0、ISO:400

PENTAXは「OKボタンを押さなくても確定」できる

K-70のように十字キーにISOが入ったらこの操作をどうしたらいいのか初め戸惑いました。でも撮影中にISOの十字キーを押すだけで簡単に切り替えることができるとすぐに理解できました。

PENTAXは「OKボタンを押さなくても確定できる」という十字キーの簡素化されたボタン操作のコツを理解していればとても利便性の高い使い方ができます。ISOの十字キーを2回押すと必ずAUTOから固定へ、固定からAUTOへとISOの定義を変更できる、と覚えると良かったのです。ちなみに1回押すだけならば現状確認、3回ならば元に戻ります。とてもよく考えられた操作性だと感じました。

お気づきの方も多いと思いますが、よく使う露出補正と絞りの変更も理にかなっています。K20Dまでは露出補正ボタンを押しながら後電子ダイヤルで露出補正をしていました。今でもその操作が使えますが、K-7以降は一度露出補正ボタンを押すと、押しながらでなくても露出補正を変えられます(ISOボタンも同じです)。

また、露出補正ボタンを押すと露出補正の部分が選択されていますが、AV(絞り優先自動露出)の場合、もう一度露出補正ボタンを押すと絞りが選択されます。もちろんファインダー内でも確認可能です。AV時には露出補正も絞りも後電子ダイヤルで設定するのでその切り替えに便利です(SV(感度優先自動露出)の場合は2度目の露出補正ボタンでISO感度が選択され、後電子ダイヤルで設定変更できます)。

過去を引き継ぎ、さらに進化させるPENTAXの思想にはいつも感服いたします。

プロフィール

まえのかつみ

1968年3月4日大阪生まれ。学生時代からカメラ片手に世界中を旅し、日本から世界各地まで世界遺産および自然風景を'体感'する撮影活動を実施中。2003年より、フランス、アメリカ、中国、ボルネオで作品を数回発表。その後はパリのインテリアメーカーのテオジャスマンと契約。作品をパリでトートバック、スカーフなどグッズ化し販売。日本でも自分のブランド「avan K」(アヴァンケー)を立ち上げ、グッズをyouyouフォトメイド や各地で販売。また友遊撮影倶楽部を設立、埼玉、東京などで教室を11運営中。ネット教室「日本カメラyouyouフォトの未来教室」も業界初の形式にて創設。写真集には「古代蓮」シリーズや「レンゲショウマ」シリーズがあり、「写真が変わる魔法の撮影術」では自分の作品のレベル感を簡単に変えたい人向けの解説を行っています。

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