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第4回 ピントは中央、点で撮る

前回までのお話は三脚前提の撮り方でした。ただ三脚がどうしても使えない、もしくは三脚の必要性がないときに三脚を使用すると周りの方に迷惑になったりする場合があります。今回のレンゲショウマなど山道で山野草を撮る場合です。故に今回は三脚なし、手持ちでの撮影時のポイントをご紹介します。ポイントは1つ、「AFモード」と「AFエリアモード」の設定です。PENTAX K-3になって操作性が大きく変わった項目のひとつです。私はAFモードは“AF.S”、AFエリアモードは“スポット”をお薦めします。もし考えてもみなかった方がいたらとても大事な概念なので必読です。

<AFモード> ファインダー撮影時のAFの動作を設定するモード

  • AF.S(シングルモード):シャッターを半押しした状態のところにピントを固定するモード
  • AF.C(コンティニュアスモード):シャッターを半押しした状態でも被写体に合わせてピントを随時変えていくモード
  • AF.A(自動選択モード):AF.SとAF.Cを自動で切り替えるモード

<AFエリアモード> ファインダー撮影時の測距点を選択するモード

  • スポット:中央の1点でピントを捉えるモード
  • セレクト(ゾーンセレクト、セレクトエリア拡大などを含む):自分の考えた点や面にピントを合わせるモード
  • オート(27点):カメラが考えた場所にオートでピントを合わせてもらうモード

レンゲショウマを“AF.S”、“スポット”で撮影する意義

まず、レンゲショウマのような小さな花が風で動いている場合、風の力は一定ではないためAF.Cで動きを予測したとしても、予測とは異なる距離と速さで移動するケースが多くなります。こういうシーンではAF.Cは適しておらず、AF.Aも自動でAF.Cになることがありますので同様。結果としてAF.Sがわかりやすくて良いということになります。

また、レンゲショウマのような小さな花は、スポット、中央1点でピントを捉えるのが良いと思います。風があるような場面では、狙った花以外にも他の草花などが被写体の左右で動いていることが多く、オートでは考えた所以外にピントが行ってしまって使いにくいことがあります。

補足:“AF.S”、“スポット”で撮影する時の注意点

必ずフォーカスロックして(シャッター半押し状態で)構図を考えてから撮ってください。ピントが合ってそのままシャッターを押すと「日の丸」構図になります。

私が開発者に感謝する操作性は以下の通りです。

  1. AF、MFを切り替えるフォーカスモード切替レバーのすぐ上に、AFモードを切り替えるAFモードボタンを作ってくれたので、蝶々などが飛んできてAF.Cに切り替えたいとき助かっています。
  2. モニター右下に状態がすぐわかるように表示してくれたのが嬉しいです。

AF.S、スポットで画面中央の花にピントを合わせて手持ちで撮りました。10mm(35ミリ判換算で16mm)なので全体にもピントが合いやすくなっています。
レンゲショウマが自然薯に巻きつかれている姿がきれいでした。真横から花1輪にピントを合わせる時にAFエリア、スポットが効果的でした。
木の根元1輪の花にスポットでピントを合わせて、フォーカスロックのまま構図を変えて手前をぼかして撮影した作品です。奥行きを演出できたと考えています。
 

<「AFモード」と「AFエリアモード」の設定方法>

AFモード
カメラを構えた時に左側のレンズ近く側面に「AFモードボタン」があります。そのボタンを押しながら、シャッターボタンの前の「前電子ダイヤル」を回すとAF.S→AF.C→AF.Aと順に変わっていくのが背面のモニターで確認できます。

AFエリアモード(測距点の選択)
同じく「AFモードボタン」を押しながら、今度は背面の「後電子ダイヤル」を回すとAUTO(オート(27点)→ゾーンセレクト)→SEL(セレクト→セレクトエリア拡大(S)→セレクトエリア拡大(M)→セレクトエリア拡大(L))→SPOTが順に変わっていくのが背面モニターで確認できます。

※SELを選択した場合、SELを有効、無効にする「測距点移動/カードスロット切替ボタン」がMENUボタンの右上にあることも覚えておいた方が良いです。

 
まえのかつみ
まえのかつみ1968年3月4日大阪生まれ。学生時代からカメラ片手に世界中を旅し、日本から世界各地まで世界遺産および自然風景を'体感'する撮影活動を実施中。 2003年より、フランス、アメリカ、中国、ボルネオで作品を数回発表。その後はパリのインテリアメーカーのテオジャスマンと契約。作品をパリでトートバック、スカーフなどグッズ化し販売。日本でも自分のブランド「avan K」(アヴァンケー)を立ち上げ、グッズをyouyouフォトメイド(別ウインドウで表示http://youyouphoto.shop-pro.jp)や各地で販売。また友遊撮影倶楽部を設立、埼玉、東京などで教室を11運営中。ネット教室「日本カメラyouyouフォトの未来教室」も業界初の形式にて創設。別ウインドウで表示http://youyouphoto.com/mirai/nipponcamera 写真集には「古代蓮」シリーズや「レンゲショウマ」シリーズがあり、「写真が変わる魔法の撮影術」では自分の作品のレベル感を簡単に変えたい人向けの解説を行っています。