前回までのお話は三脚前提の撮り方でした。ただ三脚がどうしても使えない、もしくは三脚の必要性がないときに三脚を使用すると周りの方に迷惑になったりする場合があります。今回のレンゲショウマなど山道で山野草を撮る場合です。故に今回は三脚なし、手持ちでの撮影時のポイントをご紹介します。ポイントは1つ、「AFモード」と「AFエリアモード」の設定です。PENTAX K-3になって操作性が大きく変わった項目のひとつです。私はAFモードは“AF.S”、AFエリアモードは“スポット”をお薦めします。もし考えてもみなかった方がいたらとても大事な概念なので必読です。
<AFモード> ファインダー撮影時のAFの動作を設定するモード
<AFエリアモード> ファインダー撮影時の測距点を選択するモード
レンゲショウマを“AF.S”、“スポット”で撮影する意義
まず、レンゲショウマのような小さな花が風で動いている場合、風の力は一定ではないためAF.Cで動きを予測したとしても、予測とは異なる距離と速さで移動するケースが多くなります。こういうシーンではAF.Cは適しておらず、AF.Aも自動でAF.Cになることがありますので同様。結果としてAF.Sがわかりやすくて良いということになります。
また、レンゲショウマのような小さな花は、スポット、中央1点でピントを捉えるのが良いと思います。風があるような場面では、狙った花以外にも他の草花などが被写体の左右で動いていることが多く、オートでは考えた所以外にピントが行ってしまって使いにくいことがあります。
補足:“AF.S”、“スポット”で撮影する時の注意点
必ずフォーカスロックして(シャッター半押し状態で)構図を考えてから撮ってください。ピントが合ってそのままシャッターを押すと「日の丸」構図になります。
私が開発者に感謝する操作性は以下の通りです。
<「AFモード」と「AFエリアモード」の設定方法>
AFモード
カメラを構えた時に左側のレンズ近く側面に「AFモードボタン」があります。そのボタンを押しながら、シャッターボタンの前の「前電子ダイヤル」を回すとAF.S→AF.C→AF.Aと順に変わっていくのが背面のモニターで確認できます。
AFエリアモード(測距点の選択)
同じく「AFモードボタン」を押しながら、今度は背面の「後電子ダイヤル」を回すとAUTO(オート(27点)→ゾーンセレクト)→SEL(セレクト→セレクトエリア拡大(S)→セレクトエリア拡大(M)→セレクトエリア拡大(L))→SPOTが順に変わっていくのが背面モニターで確認できます。
※SELを選択した場合、SELを有効、無効にする「測距点移動/カードスロット切替ボタン」がMENUボタンの右上にあることも覚えておいた方が良いです。