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第8回
EXPOSURE 2 - 露出を操る 2 【スマートファンクションの活用】

  • PENTAX K-3II + smc PENTAX-DA300mmF4ED [IF] SDM
    【比較1-A】樹上にマツボックリを食べるアカリスを発見。直前の撮影状況と異なる光線下だったがチャンスを逃すと元も子もないので露出は気にせずとりあえず数枚撮る。RAWで撮っているのである程度は現像で暗部を持ち上げることも出来るが、適正で撮るに越したことはない。

  • PENTAX K-3II + smc PENTAX-DA300mmF4ED [IF] SDM
    【比較1-B】逃げる様子もなくじっくり撮れそうなので改めて露出を調整する。この時シャッター速度1/500秒、絞りf5だったので感度をISO500からISO3200に上げて調整。ただこの時の機種はK-3IIなので、ISOボタンを押してから後ろダイヤルを回すという一手間が入り煩わしかった。

  • PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW
    【比較2-A】軒下にツバメの巣を発見。親鳥が頻繁に餌を取ってきていた。巣の脇でホバリングしながら餌を与える様子を狙う。日陰のためK-1でISO3200、ほんの少し絞ってf6.3だと1/30秒となり、手振れ動体振れ共に避けられなかった。

  • PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW
    【比較2-B】私的にK-1での常用感度上限はISO6400としているが、止められなければ意味がないのでこの時は思い切ってISO12800まで上げ、シャッター速度1/320秒を確保。瞬間を止めることが出来た。感度とシャッター速度を手早く変更しているが、それぞれ独立したダイヤルで変更できるスマートファンクションはデジタルでの理想の操作性を実現した。

  • PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR
    【比較3-A】森を散策中、苔むした倒木に惹かれて足を止める。動物ではないので慌てる必要も無くじっくり露出を決めてから撮ってもよいが、惹かれた時の『感覚』を大切にするためとりあえずそのまま一枚撮る。そこから狙った露出に変更して2枚目。絞りはf11のまま、感度をISO400からISO100へ下げ、川の流れを表現するためシャッター速度を1/4秒まで落とす。頭は作品のイメージ作りに集中しながら独立ダイヤルで瞬時に設定変更。

  • PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR
    【比較3-B】2枚目で露出を合わせたのち、動きを出すため構図を調整したこちらが3枚目。K-1の強力な5軸5段手振れ補正のおかげで三脚を立てるために撮影を中断する必要も無く、最初のインスピレーションを維持したままリズミカルに撮影終了。

3つのダイヤルによるデジタルに適した操作系

前回は撮影の準備段階の露出仮設定の手順までお話しました。さて、散策を始め実際に動物を見付けたら、そこから絞りとシャッタースピードをそれぞれ微調整して狙った表現へ導きます。フィルムの頃はそれでよかったのですが、デジタルになった今、撮影者は露出のもう一つの要素である『感度』を一枚ずつ変えることも出来るようになりました。フィルムでは考えられなかった高感度が実用となり、撮影領域が飛躍的に広がりました。これらはデジタル化の最も大きな恩恵の一つですので、私はデジタルに移行してから感度も積極的に変更して撮るようになりました。K-3IIまでは感度を変えるにはISOボタンを押してからダイヤルを回す一手間がありましたが、K-1とKPに搭載されたスマートファンクションはファインダーから眼を離すことなく第3の独立したダイヤルによって感度をダイレクトに変えることが出来るようになりました。言い換えると、旧来の操作系はフィルムカメラで確立されたものを引きずっており、「感度を頻繁に変える」というデジタルで新たに加わった操作を後付け的に無理やり付け足していたように思います。スマートファンクションによる3ダイヤルでのデジタルに適した操作系は現在最も進んでいると感じており、K-1発表時には「感度を独立して操れる第3のダイヤルの搭載」に大喜びしました。

スポット測光でなるべく狭い範囲を自分で測りながら露出を調整する際に、露出の3要素である【ISO感度】【絞り】【シャッター速度】のどれを優先してどれを妥協するのか…。それぞれをダイレクトに変更できるという露出決定のための理想の操作性が、第3のダイヤルにより完成したのです。

スマートファンクションをISO感度設定にすることで、『ISO感度・絞り・シャッター速度』の露出3要素をそれぞれ独立したダイヤルで調節出来る理想の操作系を実現。

プロフィール

花谷 タケシ

京都市出身。独学で写真を学び、1998年カナダに渡航。西海岸から東海岸まで車で横断した後、カナディアンロッキーで過ごす。ここで次第に熊に魅せられさらなる北の大地アラスカや極北カナダに撮影フィールドを移していく。2007年にカナダへ移住し、2010年よりユーコン準州ホワイトホース市を終の棲家とし定住。《人間》対《自然》ではなく、人間も自然の一部として他の生きものたちといかに《共生》していくかを模索しながら、極北の厳しい自然環境の中で生きる野生動物の姿を追い続けている。

オフィシャル・ウェブサイト:熊魂 yukon-bearspirit:
www.yukon-bearspirit.com
フェイスブックページ:
www.facebook.com/yukon.bearspirit

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