• ブランド
  • 製品
  • ストア
  • フォトアカデミー
  • コミュニティ
  • サポート

第6回
The Wild Beast - アメリカバイソン

  • PENTAX KP + HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited / スマートフォンアプリImage Syncによる遠隔撮影
    巨大なバイソンの迫力を伝えたくて・・・。現場の思い付きでスマートフォンアプリImage Syncによる遠隔撮影を試した。「こういう写真を撮りたい」というこだわりと「柔軟な思考」。当然野生動物へのリスペクトは最優先で。

  • PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW
    アメリカバイソンはシンリンバイソン【Wood bison】とヘイゲンバイソン【Plains bison】の二種に分類され、こちらは大型のシンリンバイソン。現在野生ではカナダの北西部に約7,000頭が生息している。

  • PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW
    その年の春に産まれた子バイソンの毛は薄く明るい茶色なので直ぐに見分けが付く。成獣が舌で草を絡め取るように食べているのもよくわかる。肉眼や動画では気付かないかもしれないところも写真として「瞬間」を捉えることで見えてくる。

  • PENTAX K-1 + HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW
    草を食べながらゆっくりと前進していく母バイソン。おっぱいを飲む子バイソンがずっとついていく。ほとんどの場合、生後一年ほどで離乳するのでこの子もそろそろ独り立ちの時期か…。

  • PENTAX K-3II + smc PENTAX-DA☆50-135mmF2.8ED[IF] SDM
    動きが乏しいバイソンのこういうシーンは逃せない。長時間対峙していても動きのある写真はなかなか撮れない。氷点下で数時間観察し続けるのは人にも機材にも厳しい。顔が白いのは、大きな顔で雪を掻き分けて下草を食べているため。

  • PENTAX K-3II + smc PENTAX-DA☆ 300mmF4ED [IF] SDM
    2月下旬、氷点下18度。撮影する私の指先は感覚を失いつつある中、冬を越す子バイソン。バイソンの毛皮のコートを着させてもらったことがあるがとても暖かかった。

忍耐と運が必要なバイソン。リモート撮影を有効活用

前回の小動物とは対照的に、今回は北米に生息する陸上動物の中で最大のアメリカバイソン【American Bison】です。大きなオスの成獣では肩高180cm、体重1トンほどにもなります。

バイソンは、北米において人類により最も翻弄された野生動物といえるかもしれません。ヨーロッパ人が北米へ移入する以前、その生息数は約6千万頭であったと推測され、アラスカからカナダ西部、アメリカ本土からメキシコ北部にかけて分布していました。しかし乱獲により1890年頃には1,000頭未満に激減し、野生個体群としてはアメリカのイエローストーン国立公園とカナダ北西準州のウッド・バッファロー国立公園に残るのみです。現在では保護の動きが強く、各地で再導入されています。今では約50万頭が家畜として、そして約1万5千頭が野生で生息していると考えられています。ユーコンでは約800年前に絶滅したものの、1980年より再導入されました。

バイソンは存在感があるものの動きが乏しく、画になる瞬間を捉えるには忍耐と運が必要です。今回掲載のアップの写真は、草を食べながらゆっくりとほぼ直進するバイソンの習性を利用し、進行方向上にPENTAX KPを地面に直置きしてスマートフォンアプリのImage Syncを使ってリモート撮影したものです。遠隔撮影に特殊機材を必要としたのは昔の話。写真のデジタル化と通信技術の融合で、手持ちのもので誰でも気軽に特殊撮影に挑めるようになりました。

スマートフォンアプリImage Syncを使っての遠隔撮影。離れた場所からカメラの前で起こっていることを見ながら撮影できるのは新しくて面白い。特殊な周辺機器を揃えなくとも手持ちのカメラとスマートフォンで誰でも気軽に遠隔撮影を楽しめる。技術進歩によりもたらされた撮影領域の拡大。試さない手はない。

プロフィール

花谷 タケシ

京都市出身。独学で写真を学び、1998年カナダに渡航。西海岸から東海岸まで車で横断した後、カナディアンロッキーで過ごす。ここで次第に熊に魅せられさらなる北の大地アラスカや極北カナダに撮影フィールドを移していく。2007年にカナダへ移住し、2010年よりユーコン準州ホワイトホース市を終の棲家とし定住。《人間》対《自然》ではなく、人間も自然の一部として他の生きものたちといかに《共生》していくかを模索しながら、極北の厳しい自然環境の中で生きる野生動物の姿を追い続けている。

オフィシャル・ウェブサイト:熊魂 yukon-bearspirit:
www.yukon-bearspirit.com
フェイスブックページ:
www.facebook.com/yukon.bearspirit

ページトップへ