K-7で紅葉を写す
今回はK-7やK-xに搭載されたペンタックス独自のホワイトバランス機能であるCTE(Color Temperature Enhancement)モードによる紅葉の撮影です。
ホワイトバランスは被写体の色を写真に再現するための調整機能で、オートホワイトバランスモード(AWBモード)は、これを自動的に調整するものです。このAWBモードでは、画面内に同系色が占める割合が多いと、その色味をもとにホワイトバランスを調整しますので、例えばAWBモードで夕日を撮影すると、赤みがややあっさりした色合いになってしまうことがあります。このとき、ホワイトバランスを太陽光モードにすると赤みが出てきて良いのですが、このようなシーンでCTEモードが威力を発揮します。その理由は、夕日の赤味成分を加えてより強調するからです。では、同じく赤みが強い写真となりやすい紅葉はどうなるでしょう。早速試してみることにいたしました。
CTEモードとAWBモードで効果を比較
紅葉に色づく福島県西郷村の観音沼を撮影しました。ホワイトバランスはCTEモードとAWBモードにしてその効果を比較しました。CTEモードは赤味が加算されて秋色に表現されました。CTEモードは実際の色味であるAWBモードとは違いますが、晩秋を表現するにはぴったりです。
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写真2 ホワイトバランス:AWB |
写真1 ホワイトバランス:CTE
共通データ:K-7+smc PENTAX-DA55-300mm F4-5.8ED(62.5mm)を使用
絞り優先、絞り:F8、シャッタースピード:1/50秒、感度:ISO100、カスタムイメージ:風景、偏光フィルター使用 |
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写真4 ホワイトバランス:AWB |
写真3 ホワイトバランス:CTE
共通データ:K-7+smc PENTAX-DA55-300mm F4-5.8ED(62.5mm)を使用
絞り優先、絞り:F8、シャッタースピード:1/25秒、感度:ISO100、カスタムイメージ:風景、偏光フィルター使用 |
3つのホワイトバランスモードを比較
水面に反映した紅葉を、AWBモード、太陽光モード、CTEモードでその違いを比較してみます。撮影はRAWデータで行い、ボディで展開して3つの画像データを作りました。その結果、赤味成分が最も少ないのがAWBモードで、最も多いのがCTEモードです。太陽光モードはその中間という結果です。このようなシーンでもCTEモードが有効であることがわかります。
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写真5 ホワイトバランス:AWB |
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写真6 ホワイトバランス:太陽光 |
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共通データ:K-7+smc PENTAX-DA55-300mm F4-5.8ED(87.5mm)を使用
絞り優先、絞り:F11、シャッタースピード:1/20秒、感度:ISO100、カスタムイメージ:風景、偏光フィルター使用 |
写真7 ホワイトバランス:CTE |
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CTE効果が期待できないシーン
CTEはいつでも使えるかというと、効果が期待できないシーンがあります。写真8、写真9のように、全体的に特定色がない平均的なシーンではAWBモードとCTEモードにその差がないことがわかります。CTEモードはどのようなシーンにも効果が期待できるというものではありません。
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写真8 ホワイトバランス:CTE |
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写真9 ホワイトバランス:AWB |
共通データ:K-7+smc PENTAX-DA55-300mm F4-5.8ED(62.5mm)を使用
絞り優先、絞り:F8、シャッタースピード:1/25秒、感度:ISO100、カスタムイメージ:風景、偏光フィルター使用 |
RAWデータによる撮影のすすめ
CTEモードは特殊な設定のためにいつでも使用できるものではありません。撮影効果を確認しながらの撮影が必要です。AWBモードや太陽光モードの方がよかったということもあります。そこで撮影時にRAWデータにしておくと、後でボディによる展開時にホワイトバランスの設定が自由にできるというペンタックスならではの使用方法があります。この技を理解できると紅葉の撮影がより一層に楽しいものとなります。ぜひ、お試しください。
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パソコンを使わずにRAWデータをボディで展開できるのがうれしい。撮影時のホワイトバランスはCTEモードに設定 |
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右クリックでホワイトバランスの設定画面に入る |
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ホワイトバランスの設定を上下キーでAWBモードに変更。OKボタンを押して決定する |
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