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連載コラム 写真三昧 SHASHIN ZANMAI
プロフィール

 

池永 一夫
いけなが かずお

 

東京写真大学卒(現・東京工芸大学)、写真大好き人間。一日一写、写真俳句を日々の楽しみにしている。リコーイメージング株式会社リコーイメージングスクエア銀座所長。武蔵野美術大学の非常勤講師を勤めるなど、カメラ、写真の講師としても活躍中。一滴会同人。

リンク ペンタックスファミリー 光と色の反射率 by Dr.M

被写体とピント(2)

初夏の池を望遠ズームで写す

今回は5月17日に京都の勧修寺に行ってきました。勧修寺は某鉄道会社のキャンペーンにも取り上げられている観光スポット。撮影は庭園にある氷室池で行いました。使用レンズは新製品のsmc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8EDです。

前ボケを生かす

手付かずの自然が残る氷室池は、初夏の光に照らされて睡蓮や杜若が咲き誇るまさに楽園。ファーストショットは前ボケを生かした睡蓮の写真です。

写真1 前ボケを活かす。K20D+smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、焦点距離:300mm、F値:6.3、シャッタースピード:1/400秒、ISO200、露出補正:ナシ、ハイパープログラム、ダイナミックレンジ拡大、カスタムイメージ「雅」、手ぶれ補正機構ON

前ボケは手前の被写体を大きくぼかして主題を引き立てる撮影法です。素直なボケ味が作品の出来を左右します。このズームレンズはボケがきれいなので、このような撮影に威力を発揮してくれます。このときのポイントは思い切って手前のボケとなる葉っぱに近づくことです。絞りは大きなボケを引き出すために、開放絞りを用います。この写真はやや絞ってF6.3。被写界深度の3要素の「絞り」、「焦点距離」、「撮影距離」をもっとも大きなボケを引き出す組み合わせにしています。

具体的には絞りを開ける(F値の小さな数字を用いる)、焦点距離の長いレンズを用いる(望遠レンズ)、被写体に近づく。この3つの組み合わせで被写界深度の調整を行います。被写界深度とは簡単に述べると、ピントを合わせた前後に生じるピントがあったかのように見える範囲であり、ボケの調整にもつながります。この被写界深度の詳細については別の機会に述べたいと思います。

遠くの被写体を大きく

氷室池では多くの野鳥を見ることができます。そのなかでもアオサギは比較的近くでも撮影でき、300mmクラスの望遠レンズを用いると、このように大きく撮影ができます。このレンズの結像性能は優れていて、アオサギの毛並みをシャープに描写してくれました。

写真2 遠くの被写体を写す。K20D+smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、焦点距離:300mm、F値:8、シャッタースピード:1/500秒、ISO400、露出補正:ナシ、ハイパープログラム、ダイナミックレンジ拡大、カスタムイメージ「雅」、手ぶれ補正機構ON

偏光フィルターを効果的に用いる

氷室池は、睡蓮の赤紫と水面に映す緑とのコントラストが見事です。撮影の注意点は睡蓮の葉っぱの反射をどう扱うかです。睡蓮の葉は特に反射が強く、白トビの原因となります。作品づくりにはある程度の反射を取ることをお勧めします。反射を取るには偏光フィルターを使います。偏光フィルターの上手な使い方は、偏光の効かせ具合の加減にあります。水面に映りこむ緑の反映も活かしつつ、葉っぱの反射を抑えるといった撮影法です。写真3は偏光フィルターを回転させて調整をしました。調整は、フードの下にあるPLフィルター窓のカバーを取り、そこから指を入れてフィルターを回転させます。

写真3 偏光効果を調整して。K20D+smcPENTAX-DA55-300mmF4-5.8ED、焦点距離:170mm、F値:16、シャッタースピード:1/30秒、ISO400、露出補正:+0.3EV、ハイパープログラム、カスタムイメージ「雅」、偏光フィルター、手ぶれ補正機構ON

偏光フィルターの効果を最大限に効かせて

写真4は偏光フィルターの効果を最大限に発揮させた写真です。水面の反射もすべて取って黒くし、睡蓮を強調しました。作画意図に応じて偏光フィルターの効かせ具合を加減することが大切です。

今回、使用した絵作りのカスタムイメージですが、すべて「雅」を使用しました。「雅」は緑や赤紫の発色に優れています。メリハリを利かせた派手な仕上がりではなく、自然な発色が期待できます。

最後に睡蓮を撮影する時間帯はなんといっても、花の咲き具合から午前中が勝負です。できるだけ早く、撮影現場に入ることをオススメします。

写真4 偏光効果を最大にして。K20D+smcPENTAX-DA55-300mmF4-5.8ED、焦点距離:170mm、F値:16、シャッタースピード:1/30秒、ISO400、露出補正:+0.3EV、ハイパープログラム、カスタムイメージ「雅」、偏光フィルター、手ぶれ補正機構ON