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連載コラム 写真三昧 SHASHIN ZANMAI
プロフィール

 

池永 一夫
いけなが かずお

 

東京写真大学卒(現・東京工芸大学)、写真大好き人間。一日一写、写真俳句を日々の楽しみにしている。リコーイメージング株式会社リコーイメージングスクエア銀座所長。武蔵野美術大学の非常勤講師を勤めるなど、カメラ、写真の講師としても活躍中。一滴会同人。

リンク ペンタックスファミリー 光と色の反射率 by Dr.M

被写体とピント(1)

ピントを合わせる位置

今回はピントを合わせる位置によって、印象が大きく変わることに注目してみました。ちょうど京都の平野神社と醍醐寺の桜を撮影してきましたのでご覧ください。

まず、平野神社の枝垂れ桜です。写真1は真ん中の灯篭にピントを合わせました。背景の枝垂れ桜はボケています。写真2は背景の枝垂れ桜にピントを合わせました。神社の灯篭は近くになるほど、ぼけが大きくなっています。灯篭の朱色の鮮やかさを主役にするのか、背景の桜が大切なのかによって、ピントを合わせる位置を調整します。

写真1 ピント位置は手前から2番目の灯篭。K20D+smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、焦点距離:108mm、F値:4.0、シャッタースピード:1/125秒、ISO200、露出補正:+0.3EV、ハイパープログラム、ダイナミックレンジ拡大、カスタムイメージ「鮮やか」
 
写真2 ピント位置は背景の枝垂れ桜。K20D+smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、焦点距離:108mm、F値:5.0、シャッタースピード:1/160秒、ISO200、ハイパープログラム、ダイナミックレンジ拡大、カスタムイメージ「鮮やか」

ピント位置と望遠効果

次は醍醐寺の桜です。写真3はピントを奥の桜に合わせています。写真4は手前の桜に合わせています。全く別の写真に見えますが、ほぼ同じ位置で撮影をしています。違うのは「ピントをどこに置いたのか」です。

写真3 ピント位置は奥の桜。K20D+smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、焦点距離:150mm、F値:4.5、シャッタースピード:1/100秒、ISO200、露出補正:+0.7EV、ハイパープログラム、ダイナミックレンジ拡大、カスタムイメージ「雅」
 
写真4 ピント位置は手前の桜。K20D+smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、焦点距離:150mm、F値:4.5、シャッタースピード:1/125秒、ISO200、ハイパープログラム、ダイナミックレンジ拡大、カスタムイメージ「雅」

写真3は奥の桜にピントを合わせたために、手前の桜が大きくボケています。望遠レンズの特長は被写体を大きく写すことですが、ボケも同様に大きくなります。また、遠くの被写体を大きく写すために、手前と遠くの距離感が圧縮されます。望遠レンズの圧縮効果によって咲き誇る桜のボリューム感を伝えることができています。そして、背景の土塀もしっかり表現できます。

写真4はピントを一番手前の桜(写真3で大きくボケている桜)に合わせました。そのため背景は大きくボケています。土塀や支えの柱も大きくボカすことで背景を省略して、手前の桜を克明に写し出しています。どちらが良いか悪いかではなく、ピントを置く位置によって、このように大きく印象が変わるということです。作品作りにおいて、どこにピントを合わせるかが大切なことと言えます。

最後に、ちょっと近づいて撮った写真を一枚。同じ被写体でも切り取り方によってこんなに違います。

写真5 近づいて写す。K20D+smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、焦点距離:70mm、F値:6.3、シャッタースピード:1/200秒、ISO200、ハイパープログラム、ダイナミックレンジ拡大、カスタムイメージ「雅」