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オートフォーカスの機能を活用して写す(4) 被写体が測距点の位置と合致しないとき
ちょうど測距点が被写体と合わないときは最も近い測距点を選んで、フォーカスロックを用いてピントを合わせます。最も近い測距点であれば、構図をやり直したときの角度が極小であるためピントの誤差がわずかで実質的に問題がありません。右の写真は手前の眼にピントを合わせるため一番近い中央の測距センサーを用いてフォーカスロックをして構図を作り直しました。 測距点を中央に戻したいとき 測距点をセレクトモードで移動させると、頻繁に使用するのが、測距点を中央に戻す操作です。 このとき十字キーでおこなうとやっかいです。そこでボタンの1回押しで測距点を中央に戻す方法があります。K100DやK100D Superではカスタムファンクションの「撮影時のOKボタン」の設定で「測距点中央」に変更するととても便利です。 K10Dにはこの機能がなかったのですが、ファームウェアのバージョンアップでこれが可能となっています。執筆時の最新ファームウェアはバージョン1.30です。これをインストールすれば、カスタムファンクションでAFボタン(OKボタンではありません)の機能に盛り込むことができますのでオススメいたします。 ファームアップは「サポート&サービスダウンロードサービス/デジタルカメラ関連ソフトウェア」の項目をご参照ください。 マニュアルフォーカスとの併用 さて、オートフォーカスの理解が深まったことで、次にマニュアルフォーカスについて考えてみましょう。 カメラの操作にはオートに対してマニュアルがあります。マニュアルとはラテン語で「手」を表します。マニュアルフォーカスとは手動でのピント合わせのことです。「オートフォーカスの時代なのに・・・」と思われるかもしれませんが、カメラを操作する上でオートとマニュアルをうまく組み合わせることが大切です。ペンタックスはそのためにレンズにクイックシフト・フォーカス・システムを取り入れています。これは、オートフォーカスでピントを合わせ、フォーカスロックをかけた状態(シャッターボタン半押し)でフォーカスリングをダイレクトに回して、ピントの微調整を手動で行うシステムです。
このクイックシフト・フォーカス・システムに対応のレンズはDA、D FA、DA★の各レンズです。特にDA★レンズのAF駆動は超音波モーターと従来のカプラー駆動の2通りがあり、その両方にクイックシフト・フォーカス・システムが機能します。超音波モーター対応機種は執筆時現在、K10D(バージョン1.30へのアップデートが必要です)とK100D Superです。それ以前のデジタル一眼レフはカプラー駆動となっているため、それぞれのAF駆動でクイックシフト・フォーカス・システムを働かせる必要があります。ペンタックスがいかにマニュアルフォーカスを重要視していることがわかると思います。 ピントを合わせたいところに測距点が対応していないとか、オートフォーカスで合いにくい被写体のときなどはマニュアルフォーカスを用います。また、合わせたいところにこだわりがあるときなども途中まではオートフォーカスで、その後をマニュアルフォーカスにスイッチするという方法があります。たとえばマクロ撮影の微妙なピント位置やメガネをかけた人の瞳にピントを合わせるときにもこのクイックシフト・フォーカス・システムが活躍します。
そんな時のマニュアルフォーカスを助けるのが拡大アイカップO-ME53です。この拡大アイカップを装着すると像倍率を1.18倍にすることができます。元々、ペンタックスのファインダーの像倍率はクラス中最大です。K10Dに装着すると合成像倍率は0.95×1.18=1.12倍になります。マニュアルでのピント合わせは像倍率が高いほどピントの山が見やすく有利になります。一度この拡大アイカップを装着するともうはずせないくらいに便利なアクセサリーです。このアイカップはペンタックスのデジタル一眼レフにすべて使用ができ、ぜひお勧めしたいアクセサリーです。 |