花火を写す(2)
デジタル一眼レフカメラで写す撮影手順
花火の撮影はフィルムカメラでは非常に難しいジャンルでした。しかしデジタルになって、とても簡単に写せるようになりました。デジタル一眼レフで花火を写す醍醐味は美なるものを写す喜びに尽きます。表現力の高い一眼レフですから、その迫力は言葉では言い表せません。花火を見る喜びに写す喜び、さらに、お部屋に飾ったり、ポストカードにしてお友達に送ったりと、楽しみにも幅や奥行きがあります。
では早速、カメラの基本的な手順およびカメラの設定について、具体的に見て行きたいと思います。なお、カメラの設定はあらかじめ明るい場所で行っておきます。懐中電灯のご用意をお忘れなく。
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カメラ上部にあるモードダイヤル。バルブにするには、『B』にあわせます。 |
- 撮影モードは長時間撮影をするためにB(バルブ)にします。撮影モードダイヤルはカメラの上部の左側にあります。
- ISO感度はカメラの最低感度に設定します。低感度で撮影することによりノイズを気にすることなく、きれいな仕上がりが期待できます。
- ホワイトバランスは太陽光モードにします。見た目に近い色合いで写せます。
- 画像仕上げは鮮やか仕上げがオススメです。花火の色もより鮮やかに仕上がります。
- ノイズリダクションの設定をOFFにします。ノイズリダクションは長時間撮影時に発生するノイズに対応する機能です。これをONにすると機能が働いている間は次の撮影ができないことになります。よって快適に撮影するためにノイズリダクションをOFFにします。ノイズリダクションの設定はカスタム設定の項目にあり、初期設定がONとなっています。この設定をOFFに変更にます。花火の撮影ではノイズは気にならないはずです。
- カメラを三脚に取り付けます。このとき、手ぶれ補正をOFFにしますが、露出モードをB(バルブ)にすると自動的にカメラがOFF設定にしてくれます。
- レンズは標準ズームがあればOK。夜空に大きく開く花火は広角レンズが役立ちます。また、望遠レンズで一部を切り取るといった撮影方法も迫力があり楽しめます。標準のズームレンズ(たとえばsmc
PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6ALなど)なら一本のレンズで両方の画角をほぼカバーできますから便利です。
- 絞りを設定します。花火の撮影の決め手は絞りの設定です。露出時間は花火の開き具合や重なりを見ながら決めます。おおよそ2秒から10秒くらいになるのではないでしょうか(会場によっても違うと思いますので、良く確認してください)。ですので、最適な露出にするには、絞りで調整することになります。打ち上げ花火ではISO感度200でF16前後が目安となります。デジタルカメラですから撮影後に必ず再生してチェックをします。オーバーであればF22などの大きな絞り値を用います。
- ピントを合わせはオートフォーカスとマニュアルフォーカスを上手く使います。花火にもオートフォーカスは対応しますので、シャッターボタンを半押しにして一旦ピントをオートで合わせたのちにフォーカスモードをマニュアルに切り替えます。この時、ピント位置が動かないよう、フォーカスリングをテープで止めてしまうのも良いでしょう。
- シャッターを押すにはケーブルスイッチCS-205を用います。指でシャッターボタンを押すとぶれの原因となりますので、これは必須アイテムと言っても良いでしょう。
以上が花火の撮影手順です。ちょっと大変かもしれませんが、撮影していくうちにきっと慣れます。デジタルカメラは再生して結果を見ることができるので、その都度調整が可能です。花火大会はおおよそ1時間くらいあります。最初は練習のつもりで調整しながら撮影をします。初めての方でも撮影半ばで調子がつかめるのではないでしょうか。 次回は、テクニックの具体例を見てみたいと思います。 |