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天と地が織りなす究極のハーモニー 斉藤尚敏

第2回
Only place...only one

前回掲載した写真について、撮影地や撮影方法について問い合わせが寄せられましたのでこの場にてお答えしたいと思います。私が使っているPENTAX K-70は星景色を撮影することを想定されたカメラであり、前回と今回撮影したような写真が誰でも撮れるような星空を正確に追尾する機能を持っています。
しかし、それを活かした素晴らしい写真を撮るには、大自然の中に氷河を頂いた山岳風景があり、世界一の星空が見える場所に行く必要があります。私にとって、そこがニュージーランドだったのです。

撮影地について
私がニュージーランドを訪れた時に必ず行く場所があります。ニュージーランド南島にあり、年間を通して多くの観光客が訪れる「Mt. Cook National Park」です。主峰マウントクックとその周辺に広がる山岳風景と氷河が作り出す風景が見事に調和した最高の撮影地です。
当然のことながら、そこで見られる星空もまた極上です。前回と今回の撮影をするためにマウントクック村からフッカーバレー沿いに2時間ほど歩いて氷河湖近くまで行きました。日中は多くの観光客やトレッカーが歩いている良く整備された道ですが、夜間にそこを歩く人はほとんどいません。

撮影方法と機材
撮影地に着いてからPENTAX K-70とHD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WRをカメラバックから取り出して、アストロトレーサーに必要なGPSユニット O-GPS1をアクセサリーシューに装着します。GPSがアクティブになってからキャリブレーションを行います。これが正常に行えれば後は星の動きをカメラが追尾してくれるので天体用赤道儀は不要となります。極軸合わせが大変な南半球でキャリブレーションのみで追尾の準備が完了するアストロトレーサーはとても便利です。

その後、カメラを軽量なカーボン三脚に取付けて撮影の瞬間を待ちます。西の空に僅かに残っている天文薄明が終わり、日本では南の水平線付近に見えている射手座の天の川が天頂付近に見えてきます。
露出は僅か1分と短いですが、長いと地上風景が星の追尾に従いブレて写ってしまうので、使用レンズの焦点距離とノイズの影響を考えて露出時間を決めています。

唯一そこに居るのは、神々しい天からの光とそれに照らされた山々とその貴重な一瞬を捉えようとしている私だけです。その静寂と漆黒の闇の中に響くのは、PENTAX K-70が発するシャッター音のみです。
撮影結果を再生して確認することで、自分が唯一の場所で唯一の写真を撮っていると実感します。
何度来ても決して飽きることのない、オンリーワンの風景が常にそこにあります。

ニュージーランドは、南半球に位置するために日本とは季節が逆になり、12月〜2月が夏になり観光の最盛期でもあります。ただ残念なことに私が撮影に訪れる時期はいつもその最盛期を過ぎた5〜6月の秋〜冬にかけてになります。その理由は真夏は夜が短くてその時期には天の川銀河の中心部が見えないことから必然的に寒くなる時期に来るようになりました。登山やトレッキングを主にした撮影では夏〜秋迄がベストシーズンですが、星の撮影を考えると5月〜8月がオススメです。

プロフィール

斉藤 尚敏

プラネタリウム、望遠鏡メーカー等での勤務後、初めて訪問したニュージーランドで見た星空に心を打たれその後20回以上もの渡航を繰り返し、世界一と言われるその星空を撮り続け、その写真や紀行文は新聞や天文雑誌「月刊天文、星ナビ」など掲載。
現在は、神戸市からより星の綺麗な八ヶ岳の登山口でもある小海町へ移住し、天体撮影で必要とされるオンリーワンの機材作りを「テレスコ工作工房」にて行っている。 また、海外撮影も続けながら地元のホテル等にて”星空には人の心を癒す力がある"と考え「Terrestrial Healing」と題したスターウォッチングをプロデュースしている。

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