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ペンタと私と東京の隙間

いただきます
いただきます
PENTAX Q+02 STANDARD ZOOMで撮影

「いただきます」 土から 海から いくつのいのちをもらって 今日まで生きているのだろう いくつのいのちをうばって 今日も生きているのだろう 目の前にずらりとならんだ もぎたての いのち 釣りたての いのち ズッキーニも 金目鯛も 空豆も のどくろも ついさっきまで それぞれの時間を生きていた。 わたしと同じように 隣でほろ酔いの君と同じように。 君が誰かに恋をしたとき もしかしたら 君が今日食べたいのちも だれかに恋をしていたのかもしれない。 大皿に残ったあら煮 てろんとした目玉が こちらをじっと見つめる。  こら、お前  今日、告白しに  いく所だったんだぞ  そんな私を煮付けに  したんだから、  最後まで食え! と 言われているような・・・ 気がしなくもない。 畑も耕さない 狩りもしないわたしは だいたい 忘れている。 今日もお金で いのちを買って 生きのびているということ 明日もお金で いのちを買って 生きのびようとすること。 箸を目玉に近づける 恋をしていたかも しれない君の いのちの残りを パクリと食べる ごちそうさまでした