この夏、嵐電(京福電鉄)嵐山駅のリニューアルが完成した。改装2度目の今回は、駅の東側からもホームに上がれる出入り口を設け、改札口を撤去。電車に乗らなくても駅構内を回遊できる遊歩道がつくられた。また、1番線ホーム沿いには新しく和束茶のカフェやコスメショップ、和菓子とスイーツ、宅急便ショップがオープン。商業スペース「嵐山駅はんなり・ほっこりスクエア」は全17店舗の展開となった。
さらに嵐山駅構内では600本もの「キモノフォレスト」(京友禅を高さ約2㍍のポールに収めたオブジェ群)が展開され、昼夜を通して京都らしい雰囲気を醸している。
秋本番を迎えた嵐山・嵯峨エリアは、紅葉を楽しむ観光客でにぎわうが、その喧騒が収まる12月中旬、いまでは恒例になった夜の「嵐山花灯路」(12月14日~23日)が開かれる。これは閑散期の嵐山・嵯峨を盛り上げようと、平成17年(2005)にスタートした夜のイベントで、シンボルの渡月橋をライトアップするほか、後ろの嵐山も美しい明かりで照らされる。また、竹林の道や社寺をつなぐ散策路には、およそ2500基の行灯(あんどん)を配してムードを高めており、毎年、多くの人が詰めかける。
渡月橋の北詰め、桂川左岸の三条通を東へ5分、角倉バス停前のカフェ・グランマは、おいしいコーヒーを楽しめて店もきれいなところから常連さんに人気だ。ポットで出るハーブティー、こだわりの煮込みうどんなども喜ばれている。西側の南北に続く通りを北に行くと嵐電嵯峨駅、JR嵯峨嵐山駅が近い。
カフェ・グランマ
●午前8時30分~午後6時/水曜休み
●コーヒー350円、ハーブティー(ポット)400円、チーズとハム、たまごのトーストサンド250円、ほっこりぜんざい550円、みそキムチ煮込みうどん700円など。
075-881-9669
PENTAX Kー5Ⅱs smcPENTAX DA18ー270mm F3.5ー6.3ED SDM(29mm域)分割測光(F11 1/160秒)ISO200 WB太陽光 カスタムイメージ風景 TIFF | |
映画が元気だったころは商店街でロケも行われ、大スターが闊歩(かっぽ)していた。 |
※画像をクリックすると拡大表示します。 |
昔の映画人が建立にかかわったという三吉稲荷。古い石の玉垣に懐かしい名前が残る。 |
夜は銭湯帰りの常連さん、撮影を終えたスタッフや俳優さんも訪れるキネマ・キッチン。 |
創業70年のWELZは老舗のパン屋さん。奥のカフェではゆっくりくつろげる。 |
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50年ぶりに帰ってきた大魔神像に商店街活性の期待が集まる。見上げる像の高さ。 |
太秦は渡来人・秦氏ゆかりの地。迫力ある蛇塚古墳は秦氏一族の首長の墓という。 |
キネマ・キッチン
●午前11時~午後11時/日曜、祝日休み
●コーヒー300円、自家製赤しそジュース300円、本日のケーキ300円、カツライス850円、おばんざいバイキング
(午後2時まで)850円~、大魔神弁当1,500円など多彩。
075-871-6556
URL:
//www.facebook.com/Kinemakitchin
WELZ
●午前7時~午後6時(カフェ)、午後7時(ベーカリー)/ 無休
●クロワッサンザマント170円、ハムカスクート300円、メープルドーナツ120円、コーヒー300円、カプチーノ350円、アールグレー、ダージリン各350円など。
075-882-1986
※掲載内容は2013年10月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。
東は太秦広隆寺前、西は帷子ノ辻まで、三条通の南側に並行する大映通り商店街は、近くに東映と松竹の撮影所があるところから「映画のまち」と呼ばれ、映画の全盛期には俳優や撮影所のスタッフらでにぎわった。
映画産業が衰退するにつれて商店街も寂しくなったが、近年、その勢いを取り戻そうと、映画に関連したさまざまなイベントや事業を展開、広く注目を集めるようになった。
この春、商店街の西寄りに昭和41年(1966)の特撮映画「大魔神」の像が設置された。この映画はかつて商店街の近くにあった大映京都撮影所で製作され、大ヒットとなった名作。50年ぶりに里帰りした高さ5㍍の魔人像は「映画のまち」の新しいシンボルである。
商店街の中央に映画機材、懐かしい映画のポスターなどを展示した「キネマ・キッチン」がオープンした。ここは近隣の主婦たちが得意とするおばんざいのバイキングや、魔人をあしらった大魔神弁当が評判。時代劇スターの勝新太郎と市川雷蔵の愛称を名にした「カツライス」も売り出した。飲み物、めん類、日替わり弁当など、多彩なメニューで人気を集めている。
大魔神像のすぐ東に、おいしいパンで知られるベーカリーとカフェのWELZ(ベルツ)がある。約140種類というさまざまなパンで知られる老舗の工房で、ほとんどの製品が昼過ぎには売り切れる。好みのバンを持って奥のカフェを利用すると、飲み物は50円引きというのもうれしい。映画のまちだけに、朝早い、夜遅い、撮影所スタッフの注文にも対応している。