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KOKO DOKO 50

寺町通の商店街を歩く

古くは紳士服のまち。いまは若者が中心のショッピングゾーン。
負けじと老舗も存在感を示す人気の商店街ぶらり。
文・写真 = 内藤靖正
PENTAX K-5IIs smcPENTAX DA17-70mmF4 AL [IF] SDM(25mm域)絞り優先AE 分割測光(F11 1/200秒)ISO6400 WBオート カスタムイメージ鮮やか JEPG
3「寺町京極」の三条通側の入り口。すき焼きの三嶋亭、カニ料理専門かに道楽がある。
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1重厚な町家で営む古書籍の専門店では、熟年だけでなく、足を止める若者も見かける。
 
2奉納のろうそくの明かりが途絶えることなくともる矢田地蔵。お参りの人が絶えない。
 
4京都ではここだけというSINACOVAコーナーも評判のメンズショップ・マルヤマ。
       
     
5念珠や古書籍の店にまじって、宇治茶と茶道具の老舗も人気だ。観光客らが訪れる。
 
6昭和の時代、キムラですき焼きを楽しむのが庶民のぜいたくだった。懐かしい店先。
   

寺町通の御池から四条へ、あるいはその逆を歩くのが、いま、若者にも人気なんですよ、と教えてくれたのは、百貨店の紳士服売り場の女性スタッフさんである。

「寺町」の名の由来は天正18年(1590)、豊臣秀吉が多くの寺院とその塔頭(たっちゅう)が建ち並ぶ寺院街を造営したことによる。その後、江戸時代には書籍、数珠、筆、薬などの店が集まって商店街の形ができたそうで、平成のいまも昔ながらの雰囲気を残す古書籍、仏具や念珠の店も点在する。

三条の北寄りには「矢田地蔵」と呼ばれる西山浄土宗の古寺・矢田寺がある。本堂には高さ2メートルの地蔵菩薩が安置されており、地獄で亡者を救うお地蔵さんとして広く信仰を集めている。

矢田寺の少し南にはすき焼きの三嶋亭、そのすぐ南のメンズショップ・マルヤマは約60年続く紳士服の専門店。寺町通は四条から南が家電専門店街、北は洋服店が軒を連ねる商店街だったが、きびしい時代の流れによって次つぎと他業種に移行し、唯一、マルヤマだけが古いのれんを守っている。ここでは顧客のニーズをいち早く察知して、流行だけではなく、長く着られてセンスのいい組み合わせを提案してくれる。

寺町通の三条-四条間は「寺町京極」の名の商店街だが、近年、若者向けのファッション、雑貨、フードなどが密集する通りに変わってきた。だが、その狭間(はざま)で昔ながらの念珠、組みひも、古書籍、茶道具などの老舗も健在。懐かしい昭和レトロの雰囲気を残したすき焼きキムラの前では、思わず立ち止まってしまった。

メンズショップ マルヤマ

●午前11時~午後8時/第2・第3木曜休み
075-221-1033

すき焼き キムラ

●午後0時~午後8時30分(ラストオーダー)/月曜休み(祝日のときは営業して翌日休み)
●ロースセット3,000円ほか。ランチタイムサービス(午後0時~2時)ごはん、漬け物つき1,900円。
075-231-0002

※掲載内容は2013年3月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。

 
KOKO DOKO 51

若宮八幡宮と六条通商店街

東南に東本願寺、西南に西本願寺。わずかに遠回りながら、ふたつの大寺を結ぶ六条通。
そこは昭和レトロを色濃く残す庶民的な商店街である。
文・写真 = 内藤靖正
PENTAX K-5IIs smcPENTAX DA17-70mmF4 AL [IF] SDM(58mm域)絞り優先AE 分割測光(F11 1/125秒)プラス0.3EV補正ISO800 WBオート カスタムイメージ鮮やか JEPG
2カラフルなのぼりがはためく和菓子店の向こうで、次のスポットを相談する観光客。
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1広く信仰を集める若宮八幡宮。小さな境内に赤い鳥居の稲荷大明神も祭っている。
 
3京の麩づくりひと筋の麩藤。料理に使う麩のほか、麩まんじゅう、さくらもち麩なども。
 
4町家の座敷で営むCAFE NO WAでは、抹茶、和菓子などでひととき過ごしたい。
       
     
5大小の和室10室の和宿・里では、落ち着いた町家暮らしを体験できると評判だ。
 
6下京区のまち歩きの昼、あるいは夜に、おいしい麺類、寿司を気軽に楽しめる朝日亭。
   
ないとう・やすまさ
1933年、京都市生まれ。広告代理店勤務の折に趣味ではじめた小冊子が京福電鉄のPR誌になったことなどにより1972年に独立。京福電鉄や東映太秦映画村の広告制作を担当する傍らフリーペーパー「Kyo!」発行。京都ピイアールセンター代表取締役。

若宮八幡宮の小さな社(やしろ)は若宮通新花屋町上ルに鎮座する。由来記によると、天喜5年(1057)に後冷泉天皇の勅願により、文武・治山治水・長寿の神として源頼義(よりよし)が創建。室町時代には足利将軍家の宗敬を得て社地も拡大、栄えたと伝える。慶長10年(1605)には五条坂へ移転するが、旧鎮座地に残る神社を近隣の人たちがいまも守っている。

そのすぐ北で東西に交わる細い六条通は、古くからの商店街。昔のような賑わいは失われたが、それでも豆腐、京かまぼこ、和菓子、衣料雑貨などの店も健在。観光客らもぶらぶら歩きで訪れる。

六条若宮かどで店を構える麩藤は160年続く京麩の老舗。麩は精進料理をはじめ、日本料理に欠かせない貴重な食材で、ここでは昔と変わらぬ手法で京の味を伝えている。

そのすぐ西には、京漬物の工場と店舗だった立派な町家を再生した和宿(おやど)・里がある。この宿は京都の昔の暮らしの雰囲気を体感できると人気を呼び、外国人の利用も多い。通りに面した和室では、コーヒーや抹茶を楽しめるCAFE NO WA(カフェ ノ ワ)を開いて、散策の人たちに喜ばれている。

東中筋かどでは寿司と麺類の朝日亭が、20年ほど前に建て替えたという清潔な店を構える。近くの旅館やホテルで泊まる観光客も立ち寄るだけに、食材や味つけに気を遣うそうだが、そばと寿司のセットも評判になっている。


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麩藤

●午前9時~午後4時30分/日曜、祝日休みのほか、水曜は不定休
●六条麩、手まり麩、かやく麩、花麩、麩まんじゅうなど多彩。詰め合わせも。
075-351-1170
URL:別ウインドウで表示http://www.kyo-namafu.co.jp

和宿 里

●1泊6,300円(食事別)~。部屋の広さ、人数、季節によって変わるので問い合わせを。朝食880円。
075-342-2123
URL:別ウインドウで表示http://www.nagomi-kyoto.com

CAFE NO WA

●午前10時~午後4時/不定休
●コーヒー、紅茶380円、抹茶480円、コーヒーか紅茶と和菓子セット680円など。
075-342-2123

朝日亭

●午前11時~午後3時、午後5時~午後8時/日曜、祝日休み
●きつねうどん450円、カレーうどん530円、ニシンそば680円、みそ煮込みうどん950円、鉄火丼1,160円、寿司盛り合わせ1,200円など。
075-351-4445

※掲載内容は2013年3月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。