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KOKO DOKO 26

近い山里の鞍馬ぶらり

叡山電車でわずか30分の「近い山里」鞍馬。
門前町と、若狭からの物資の集散地だった街道を歩く。
文・写真 = 内藤靖正
K-5 + smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR(36mm域)を使用して撮影。絞り優先AE、絞り:F11、シャッタースピード:1/60秒、測光:分割測光、感度:ISO200、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:リバーサルフィルム
1土産物店などが道の両側に軒を連ねる門前町。奥に見える仁王門は参拝客が行き交う。

京都市内の北西に位置する鞍馬山の「九十九(つづら)折り」と呼ばれる曲がりくねった坂道を行くと鞍馬寺がある。宝亀元年(770年)に鑑禎(がんてい)が毘沙門天を安置したのが起源とされ、現在は尊天(護法魔王尊、毘沙門天、千手観音)を本尊とする鞍馬弘教(こうきょう)の総本山として広く信仰を集めている。観光を兼ねての参拝客に交じって、遠く滋賀や阪神方面などから月参りで訪れる人も少なくない。

ふもとの仁王門から叡山電車の鞍馬駅前にかけては門前町エリアで、飲食店や土産物店が軒を連ねる。鞍馬土産の木の芽煮(だき)を商う店もある。ここでは自分好みの食べ物や土産物探しが楽しい。

仁王門のそばで民芸調の店を構える雍州路(ようしゅうじ)は本格的な精進膳が評判。これが楽しみで鞍馬寺にお参りするという人もいるほどだ。雲珠(うず)そば、喫茶メニューでいっぷくもできる。

雍州路

●午前10時~午後6時/火曜休み(祝日のときは営業)
●コーヒー470円、自家製本わらび餅550円、雲珠そば1,050円、精進膳2,100円、2,600円、3,150円など。
075-741-2848
URL:別ウインドウで表示http://www.yoshuji
.com/

雍州路一楽

●土曜と休日に営業/午後0時~午後6時
●コーヒー500円、ケーキセット800円、栗ぜんざい800円など。
075-741-9053

雍州路楽楽

●土曜と休日に営業/午後0時~午後6時
●みたらしだんご450円~。自家製甘酒450円などのほか、民芸品各種。
075-741-1291

くらま辻井

●午前10時~午後5時/水曜休み
●木の芽煮525円、葉とうがらし525円、山椒じゃこ735円、わらびしぐれ525円など多彩。
075-741-1121

※掲載内容は2011年2月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。

門前町から北へ続く鞍馬街道は古い民家が建ち並び、国の重要文化財の指定を受ける立派な住宅もある。街道に入ってすぐの一楽は築100余年の民家を修復、甘味とギャラリーの店としてオープン。走り庭のおくどさん(かまど)や落ち着いた座敷が郷愁を呼ぶ。斜め向かいの楽楽も古い民家を利用した甘味と鞍馬土産の民芸品どころ。みたらしだんごや甘酒でひととき過ごし、内部を見て帰りたい。

※下の小さい画像をクリックすると拡大表示します。
2出町柳から30分で着く叡山電車の鞍馬駅は「近畿の駅100選」にも選ばれた木造駅舎。
 
3精進膳のほか、自家製本わらび餅や甘酒などの喫茶メニューで気軽に利用したい雍州路。
 
4田舎のおばあちゃんの家に遊びにきたような気分に浸れる一楽。走り庭におくどさん。
     
   
5古い民家を利用した楽楽では遠慮なく座敷に上がろう。奥には庭もあって落ち着ける。
 
6木の芽煮のくらま辻井。門前町だけでなく、せめてこの辺りまで街道を歩いてみたい。
 
ないとう・やすまさ
1933年、京都市生まれ。広告代理店勤務の折に趣味ではじめた小冊子が京福電鉄のPR誌になったことなどにより1972年に独立。京福電鉄や東映太秦映画村の広告制作を担当する傍らフリーペーパー「Kyo!」発行。京都ピイアールセンター代表取締役。

街道の北寄りには大正6年(1917年)創業という木の芽煮の老舗・くらま辻井がある。木の芽煮はサンショウと昆布を炊き合わせた鞍馬土産の代表格。葉とうがらし、山椒(さんしょう)じゃこなどのほか、4月になるとわらびしぐれ、花山椒などの季節物も店頭に出る。