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KOKO DOKO 25

冬の嵐山ひとり歩き

凛(りん)とした冷気がみなぎる冬の嵐山。
この季節に訪れる人こそ真の京都好きかもしれない。
文・写真 = 内藤靖正
K-5 + smc PENTAX-DA 17-70mmF4AL[IF]SDM(63mm域)を使用して撮影。絞り優先AE、絞り:F11、シャッタースピード:1/30秒、測光:分割測光、感度:ISO200、ホワイトバランス:オート、カスタムイメージ:鮮やか
1嵐山を背に、大堰川に架かる渡月橋は嵯峨嵐山のシンボル的存在。絵になる風景。

11月の紅葉、師走の花灯路など、観光客を呼び込む季節が終わり、静けさを取り戻した冬の嵐山。「みやこ鳥」と古くは歌に詠まれたユリカモメが時折、大堰川(桂川)や渡月橋の上空を群れて、ここ嵐山ならではの冬景色を演出している。

嵐山は標高約382m。大堰川を挟んで対岸の亀山(小倉山)と向き合う丹波山地のひとつだが、嵐山の名は周辺の地名にもなっており、嵯峨観光の中心地である。渡月橋の北詰めにある車折神社頓宮前には平家物語の「峰の嵐か松風か たづぬる人の琴の音かー」で知られる琴きき橋の一部が保存され、歴史ファンには興味深い。

渡月橋から北へ続く長辻通は飲食店、土産物店などが軒を連ねる商店街。嵐電(京福電鉄)の嵐山駅ホームには、近くで湧き出る嵐山温泉の湯を運び込んだ駅の足湯が散策の足を休める人たちに喜ばれている。

※下の小さい画像をクリックすると拡大表示します。
2「明治十三年建築」の銘があるという琴きき橋。車折神社頓宮前に保存されている。
 
3新しい「嵐山名物」の人力車は渡月橋北詰め辺りから発着。若者も熟年にも人気だ。
 
4嵐電のホームにある駅の足湯。「あたたかい」「気持ちいい」と観光客に喜ばれる。
     
   
5一昨年の秋に新築移転したうなぎの廣川。2階席からは嵐山の風景が一望できる。
 
6京菓子の老舗・老松。奥の茶房でコーヒーや評判の和菓子で嵐山らしい時間を楽しめる。
 
ないとう・やすまさ
1933年、京都市生まれ。広告代理店勤務の折に趣味ではじめた小冊子が京福電鉄のPR誌になったことなどにより1972年に独立。京福電鉄や東映太秦映画村の広告制作を担当する傍らフリーペーパー「Kyo!」発行。京都ピイアールセンター代表取締役。

廣川

●午前11時30分~午後2時30分/午後5時~9時(ラストオーダー8時)/月曜休み
●うな重2,400円、3,500円、うな重定食3,400円、4,500円、蒲焼きコース6,600円、8,700円など。
075-871-5226
URL:別ウインドウで表示http://www.unagi-hirokawa.jp

老松

●午前9時~午後5時(茶房は午前9時30分~午後4時30分)/不定休
●老松140円、北嵯峨105円、嵯峨野最中180円など多彩。茶房はコーヒー525円、煎茶840円、ぜんざい840円、本わらび餅1,260円など。
075-881-9033
URL:別ウインドウで表示http://www.oimatu
.co.jp

駅の足場

●冬季は午前9時~午後6時/無休
●150円(タオルつき)
075-873-2121(嵐山駅)

※掲載内容は2010年12月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。

天龍寺の斜め向かいには立派な数寄屋造りの建物が目を引く廣川がある。ここはおいしいうなぎ料理の専門店で、江戸時代後期に現在の埼玉県熊谷市で創業した老舗の流れをくむ名店。あくまでも国産の厳選したうなぎにこだわり、江戸前の技法をさらに繊細に極めた「廣川流」調理が通(つう)といわれる客までもうならせる人気店だ。

野々宮バス停のすぐ南では明治41年(1908年)創業という京菓子の老舗・老松(おいまつ)の嵐山店が大きいのれんを掲げて店を構える。有名な夏柑糖(なつかんとう)は夏季限定の商品だが、店名にもなる柚子(ゆず)あんの老松、丹波大納言の粒あん入り北嵯峨、嵯峨野最中などのほか、季節の京菓子が多彩。奥のおしゃれな茶房では抹茶や嵐山店だけの本わらび餅でひとときを過ごせる。