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KOKO DOKO 11

三条通で昔の名建築拝見

まちなか歩きでにぎわう三条通。
界わい景観整備地区に指定されたエリアのレトロな建物ウオッチング。
文・写真 = 内藤靖正
K-m + smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM(16mm域)を使用して撮影。絞り優先AE、絞り:F11、シャッタースピード:1/30秒、測光:分割測光、露出補正:+0.7EV、感度:ISO200、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:鮮やか
1近代的な建物から見るレトロな1928ビル。新旧の対比がおもしろい。

御幸町の角にある1928(いちきゅうにはち)ビルは毎日新聞社の京都支局だった。新聞社が移転したあと、このレトロなビルにはアクセサリーショップやギャラリー、カフェなどが入って、若者を中心に人気を集めている。

その西、家邊徳時計店は明治23年(1890年)完成のれんが造りで、民間の洋風商業建築としては京都最古だとか。現在は雑貨ショップになっているが「市民が選ぶ文化財」の認定第1号だ。

富小路の角、SACRA(さくら)ビルは不動産貯蓄銀行京都支店として大正5年(1916年)に完成したルネッサンス様式の3階建て。いまは雑貨商などが入る商業ビルに変身したが、界わい景観建造物にも指定されている。

柳馬場の角には日本生命京都三条ビルがある。辰野金吾、片岡安の設計によって大正3年(1914年)に建てられたが、石張りを多用した直線的な意匠など、両設計者の特徴がよく出ているという。昭和58年(1983年)に改修され、雑貨専門店などが入居している。

※下の小さい画像をクリックすると拡大表示します。
2明治の粋を集めた家邊徳時計店の建物。観光客も思わず足を止める。
 
3当時の姿を残して補強、改装されたSACRAビルも市の登録有形文化財。
 
4直線的なデザインが美しい旧日本生命京都支店ビルも登録有形文化財。
         
     
5京都文化博物館の重厚な建物は内部も必見。本館にはろうじの店なども。
 
6赤れんがに白い石材を配した構成の中京郵便局。市の登録有形文化財。
 
 

高倉通の西には明治39年(1906年)に日本銀行京都支店として完成した現在の京都文化博物館別館が人目を引いている。ルネッサンス調にゴシック様式をプラスした辰野金吾設計のなかでも最高傑作といわれ、国の重要文化財に指定されている。

そのすぐ西には明治35年(1902年)に京都郵便電信局として建築された赤れんがを基調とする中京郵便局が威容を見せている。
昭和48年(1973年)に外装を残して内部を新築する工事を行ったが、その保存方法はわが国における初の事例だったそうだ。

 
KOKO DOKO 12

綾小路通で町家を楽しむ

歴史ある京町家の表構えを見られる綾小路通。
町家カフェなどで住居内部の雰囲気も楽しむまちなか歩き。
文・写真 = 内藤靖正
K-m + smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM(28mm域)を使用して撮影。絞り優先AE、絞り:F16、シャッタースピード:1/25秒、測光:分割測光、感度:ISO200、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:鮮やか
6綾小路通にどっしりと杉本家住宅。夏は7月14日~16日の祇園祭宵山に公開予定。

綾小路通は京町家が見られる魅力的な散策コース。町家を利用したカフェなどもある。

柳馬場の西には父親の住居を改装したという金崎さん夫妻が営む京かの子が昨年オープンした。ここでは家族的な雰囲気のなかでおいしいコーヒーや手作りのケーキなどが楽しめる。奥の坪庭では珍しい各種の山野草が育ち、その鮮やかな緑が目に優しい。表の間は作家による陶器類のギャラリーになっている。

その少し西には京料理うお秀の立派な店があり、柱に取りつけてある「仁丹」の広告入り町名表示板も昔懐かしい。たたずむと昭和の初めにタイムスリップしたようでもある。

烏丸通を西に渡ると、こちらは寛政元年(1789年)創業という田中長奈良漬店が風格ある建物で商売を営む。みりんの醸造の傍ら、研究と改良を重ねてまろやかな奈良漬を生み出した老舗である。

新町の南、長江家住宅は代々呉服商を営み、現在の母屋は慶応4年(1868年)と明治40年(1907年)の建築という。非公開だが典型的な町家の表構えは必見の価値ありだ。

※下の小さい画像をクリックすると拡大表示します。
1昭和初期の町家のカフェ京かの子。厚い1枚板のテーブル席でも落ち着ける。
 
2立派な町家の京料理の老舗うお秀。時代が昭和、大正に戻ったような雰囲気。
 
3どっしりと重厚な店構えの田中長奈良漬店。まろやかなみりん漬は評判の味だ。
         
     
4母屋北棟は通り庭形式、南棟は店舗部と住居部をつなぐ表屋造りの長江家住宅。
 
5昔のまま保たれた町家の甘味どころ三丘園。町家内部を見たい人におすすめだ。
 
 

京かの子

●午前11時30分~午後6時/火曜と水曜休みのほか第2土曜不定休
●ブレンドコーヒー450円、手作りケーキ600円、カレーライス(サラダつき)750円、ポークシチュー750円など。
075-351-4231

三丘園

●午前11時~午後6時/不定休
●宇治煎茶、ほうじ茶などのお茶とスイーツ(抹茶プリンほか)1,000円、お茶とスイーツ(抹茶チーズケーキほか)1,200円など。
075-351-3361
URL:別ウインドウで表示http://www.sankyuen.jp/

※掲載内容は2009年4月時のものです。すでに変更されている場合がありますので、ご利用の際には必ずご確認ください。

新町の西にある三丘園は宇治茶の老舗が営む甘味どころ。築100余年の町家で高級抹茶を使ったケーキやプリン、わらび餅などスイーツのほか、宇治煎茶、ほうじ茶などが楽しめる。座敷から坪庭を眺めながら廊下を伝って奥の離れへ。町家の風情が訪れる人の心を癒やしてくれる。

向かいの杉本家住宅は明治3年(1870年)の重厚な町家。市内では最大規模といい、春と夏、秋に公開されている。

ないとう・やすまさ
1933年、京都市生まれ。広告代理店勤務の折に趣味ではじめた小冊子が京福電鉄のPR誌になったことなどにより1972年に独立。京福電鉄や東映太秦映画村の広告制作を担当する傍らフリーペーパー「Kyo!」発行。京都ピイアールセンター代表取締役。