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第3回 LEDイリュージョンで「眠り猫」フォトを楽しもう

■LEDライティングに挑戦!

眠った猫はテコでも動かないことが多く、起きている間には難しい、三脚を使ったレンズを絞り込んでの撮影やスローシャッター撮影が可能です。そんな撮影に相性抜群の「LEDライティング」に挑戦してみました。

■用意するもの

LEDは省電力で透明感のある発色が魅力的。でも拡散しない指向性の高い光なので、人物の写真撮影に使用するには光量が足りないし、光量の大きい大型のライトを作ろうと思うとまだまだ高価です。けれど今回の被写体は「眠り猫」、人物を撮影する時ほどの光量は要りません。最近秋葉原やカー用品店でよく見かける長さ30cm×幅1cm程のLEDテープライトが活躍します。インターネットショップなどで「LEDテープライト30cm」(裏側は両面テープ)で検索すれば1本500円~1200円の安価なものが手に入ります。その時に電源も購入しておきましょう。

  • LEDテープライト(ホワイト・ピンク・ブルー・イエロー)
    LEDの懐中電灯にカラーセロファンを貼ってもできるかな?
  • 電源
  • 白か黒のつるつるした背景(白い壁でも可)
  • ダンボールの切れ端
  • 布テープ
  • 白い紙

LEDと4ピンのコネクター(LEDに同梱)、ACアダプター(12V/2Aを使用)を繋げます。点灯しない場合は逆向きにピンを刺せば点灯します。

セッティングは簡単です。背景を置き、写真の様にLEDを配置したら、猫が寝てくれるようにお気に入りのベッドや洗いたてのタオル(できれば白か黒)などを置いて待ちましょう。

あるいは猫が寝ているところに、起こさないようにそーっとこのセットを持ち込むというやり方でもOK。

正面の1灯は猫に当てますが光が強すぎるかなぁと思ったら、上の写真の様に光をバウンスさせるか光を猫から離しましょう。

■セッティングして撮影しました!

写真1 DA 35mmF2.4 AL、1/4秒、F3.5、ISO200

離れたところからのピンク色も効果的です。【左:イエロー】+【右:ブルー】+【正面(離れ気味に):ピンク】

写真2 D FA MACRO 100mmF2.8 WR、1/10秒、F8、ISO200

海外のテレビ番組のインタビューっぽい照明。【左:ピンク】+【右:ブルー】+【斜め左:ホワイト】

写真3 DA 35mmF2.4 AL、1.6秒、F22、ISO200

絞り込むと画像の滑らかさが増します。【左:ブルー】+【右:ピンク】+【斜め右:イエロー】

写真4 DA 35mmF2.4 AL、1/3秒、F5、ISO200

愛らしい寝姿をいつもと違った雰囲気に。【左:ホワイト】+【右:ピンク】

■デジタルフィルターで色抽出してみよう!

意図した色を猫や背景に当ててK-rのデジタルフィルターで色抽出して遊んでみました。

写真5 DA 35mmF2.4 AL、1/4秒、F3.5、ISO200

前出「写真2」のピンクと青を色抽出。

ピンクとブルーを抽出。【左:ピンク】+【右:ブルー】+【正面:ホワイト】

写真6 DA 35mmF2.4 AL、1/100秒、F4、ISO800

写真7 DA 35mmF2.4 AL、1/40秒、F5、ISO800

ブルーとシアンを抽出。【左:白】+【右:ピンク】+【正面:ブルー】

■応用編1 背景を黒にしてみる

写真8 DA 35mmF2.4 AL、1/5秒、F5、ISO200

【左:ピンク】+【右:ブルー】

写真9 D FA MACRO 100mmF2.8 WR、1/10秒、F8、ISO200

【左:ピンク】+【右:ブルー】

■応用編2 反射しない黒い背景にしてみる

【左:ピンク】+【正面:ブルー】+【右:ホワイト】

写真10 D FA MACRO 100mmF2.8 WR、1/250秒、F8、ISO800

LEDのピンクが猫の舌のピンク色をよりきれいに見せてくれます。【左:ピンク】+【正面:ブルー】+【右:ホワイト】

写真11 D FA MACRO 100mmF2.8 WR、1/250秒、F8、ISO800

■応用編3 背景をさらにもうひと工夫

イルミネーション用のLEDライトを使ってみましょう。これはホームセンターやIKEAなどのインテリアショップで手に入ります。イルミネーション用のLEDライトで寝ている猫さんの周りを装飾するように囲んで真上からパチリ。この時は猫が起きていたので、LEDテープライトのホワイトを猫の顔のある方向に置き顔が暗くならないようにしています。カラーのテープライト置いてアクセントをつけるとよりきれいです。

写真12 DA 35mmF2.4 AL、1/80秒、F5、ISO800

イルミネーション用LED+【左上:ピンク】+【右上:ブルー】+【右:ホワイト】

写真13 DA 35mmF2.4 AL、1/25秒、F2.4、ISO200

イルミネーション用LEDとデジタルフィルターのトゥインクル星型を使うとかわいいアレンジもできます。ここで使ったK-rの「デジタルフィルター」は「トゥインクル」と「トイカメラ」です

LEDライトは熱くならないことも利点の一つ、これからの暑い季節にもおすすめです。この他にも様々に応用可能なLEDライト、簡単に面白いライティングが楽しめますよ~。このライティングに関する質問やお問い合わせは別ウインドウで表示私のtwitter(@sakuaquiet)にどうぞ。

 
当コーナー筆者石原さくらさんのホームページ
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石原さくら
1級愛玩動物飼養管理士の資格を保有する猫写真家。東京工芸大学卒業後、フリーカメラマンとして主に女性ファッション誌の広告写真を撮影。2007年に野良猫を拾ってから猫狂いが再燃し、現在は猫写真家としての活動にシフトする。猫雑誌やテレビ、猫写真教室での講師など多方面で活躍中。
筆者より・・・
幼少の頃から私の傍らにはいつも猫がいました。私にとっての猫は意思を持った家族の一員です。しかし、私たち人間ほど長生きはできない彼らなのでお別れをする悲しみがありました。寂しいとき、辛いことがあったとき、かつて一緒に暮らした猫の写真がやさしい気持ちを与えてくれました。写真の力の素晴らしさ、撮ることの楽しさを最初に教えてくれた猫に敬意と愛情を込めて写真を撮りつづけます。