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カメラは地球を巡る
ハレイワのサンセット
vol.4 神の遺産 ハワイ 佐藤秀明
オアフ島ワイメアのビッグウェーブ
波にあらわれる溶岩
ありとあらゆる自然が同居している

ハワイほど不思議な魅力に覆われているところはない。海、山、川、砂漠、熱帯雨林、火山、ハワイにはありとあらゆる自然があり、穏やかな気候は人々にいつまでも美しく豊かな自然であってほしいと願う心を育んできた。

挑戦の対象として向き合う

僕とハワイの付き合いは30年になろうとしている。僕にとってラッキーだったのは仕事として向き合い、挑戦すべき対象である、そんな自然に出会ったことだった。

特に波は、僕のエネルギーを果てしなく吸い上げたが、多くのものを与えてもくれた。偉大な教師でもあったのだ。東京の生活に疲れていても、仕事がうまくゆかなくても、ファインダーの中からハワイの自然を眺めてさえいれば、少なくともその間は自分の人生をこの手に取りもどすことができた。

ある日、オアフ島の北海岸で美しく整った波が規則正しくラインナップを描きながらやって来るのを見て、僕はその波をかいくぐって沖へ出た。

うねりが頭上を通り過ぎるたびに、波の飛沫が雨のように降りそそぎ、黒々と横たわる山並みを虹が七色に染め上げた。波間に漂いながら、青く澄んだ空と白い雲を眺めていた僕の満たされた気持は、今とても分析できるものではない。

あらゆる自然の調和を体感

夜明けの北海岸に立つと、薄紫色の空に弱々しく光る日や肌をかすめる微風。そしてサーフブレイクが完璧に調和のとれたひとつの自然の姿を見せてくれる。

神の存在すら感じさせるこの風景を見ていると、この島の歴史を考えずにはいられない。

さ と う  ひ で あ き

1943年、新潟県生まれ。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、フリーのカメラマンとなる。

60年代はニューヨークに暮らし、その後、70年代、80年代にかけてはサーフィンを被写体の中心にすえる。

その時に培った自然観をベースに、北極、アラスカ、アフリカ、チベット、南洋諸島など、世界中の辺境を旅し、自然と人間、文化を独特の視野で撮り続け、数多くの作品を発表している。

最近は日本にも目を向け、日本人の心の中に淀んでいる思いのようなものを表現することに精力を注いでいる。主著は「北極 Hokkyoku」「地球極限の町」「口笛と辺境」など多数。「彼は海へ向かう」「西蔵回廊」「伝説のハワイ」など共著も数多い。

日本写真家協会会員

オアフ島のカントリーストア
カウアイ島にて
『カメラは地球を巡る』
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