Caplio GX100
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GX100 Impression

横木安良夫氏インタビュー 世界で活躍する横木安良夫氏にGX100の魅力についてお聞きしました。
GX100をベトナムに持って行かれたそうですね。
えぇ、今までにない写真が撮れましたよ。山岳地帯の、少数民族の人たちが暮らす村を訪ねたのですが、小さなGX100では「撮られている!」と警戒されず、素朴なありのままの表情が撮れました。72mmにして50cmくらいの至近距離で撮るんです。カメラを目の前に構えてしまうとまるで銃を向けられたような印象を与えるのかな? 液晶ビューファインダーをチルトにして僕は下を向いて撮るんだけど、その姿勢が攻撃的でないのか、皆自然な表情でこちらを見てくれてました。
僕はGR DIGITALを手にするまではパンフォーカス*で撮ることに魅力を感じていなかったのだけど、ある日、自分が学生の頃撮った写真を見直す機会があって、すると、パンフォーカスでたくさん撮っていて、しかも、結構いけるんだな。「パンフォーカスっていい!」という「目からうろこ」体験をして、世界観が変わった気がします。ベトナムでも人々をパンフォーカスで撮っていますが、背景に、村の曲がりくねった道や、市場の人ごみなどが写っていて、それがその人の背後にある暮らしや人生を語っている。背景をぼかすことがいいポートレートというわけではないんだ、と気付きました。GX100は、被写体に抵抗感を与えず、その人の瞬間をいろんな背景も含めてつかむことができるカメラだと思います。もう十何回もベトナムに行っていますが、今回初めて撮れた絵も多いですよ。
*パンフォーカス:近距離も遠距離もピントが合っていること
液晶ビューファインダーが外付けで、しかもチルトタイプ、というのが大切なのでしょうか?
重要、重要。友人の中には、28mmや35mmのビューファインダーを付けて楽しんでいるやつもいるし、そういう拡張性があるという点では「外付けにして正解」と思いますね。チルト、というのもギミックぽいけれども、2眼レフのように撮れることがいいですね。
実は、デジタルカメラのファインダーにはあまり期待していなかったんですよ。しかし、GX100はのぞいた瞬間「こりゃ、いい!」と思いました。僕は全体のフレーミングを決めるためにビューファインダーをのぞきますが、こうして左の目でのぞいて固定してシャッターを切る、するとブレないんですね。液晶ディスプレイで被写体を確認するには、どうしても自分の目から距離ができ、自分の身体から離れるため、ブレてしまうことが多い。だから性能のいいビューファインダーは必要だと思います。役に立つものがね。
液晶ディスプレイも大型で広い視野角のものなのですが。
液晶ディスプレイは露出を決めるための大事な道具ですよ。われわれプロのカメラマンは光の量を決めるために、インスタントカメラでまず撮って確認する作業を行いますが、液晶ディスプレイでその作業ができるのです。一度撮ってみる。光の量がわかる。露出や絞りを決めて本番の撮影をする、そういうために役に立っています。瞬間瞬間をとらえるわけですから、もたもたしてられませんし。それがコンパクトデジタルカメラの利点です。スタジオで時間をかけて大きなカメラで撮るときは、準備にもそれなりの時間をかけることができる。しかし、旅先で「これだ!」と思った瞬間を撮るためには、機動力をサポートする機能が必要ですね。

たとえばモードダイヤルにある「マイセッティング」には、僕は「72mm・アスペクト比は1:1、ISO80・絞り優先」というのを登録しています。ダイヤルでこの設定をすぐに選べることも重要ですね。
アスペクト比は1:1なのですか?
僕ら銀塩カメラで仕事をしてきた者にとっては、1:1というのはずっと当たり前だったんですよ。ブローニィもそうだし、正方形でフレーミングすることは当然だった。なのに、デジタルカメラになってなぜか35mmのアスペクト比にとらわれてしまっていたんだね。デジタルカメラなのだから、ソフトウェアで多様なアスペクト比を選択できるようにすればいいと思います。
GR DIGITAL以来、小さなCCDの持つ可能性を感じるようになりました。GX100は、1001万画素ですから、解像度としては十分。新聞広告全面の写真でも大丈夫だし、もっと大きな作品も作ることができる。コンパクトデジタルカメラも仕事で使えるようになりましたね。
また、接写の魅力にもとりつかれて、どんどん撮るようになりましたよ。GX100は、大きなカメラでは絶対にでない微妙なボケ味の効いた写真を撮ることができます。モノを見つめる目が変わってきた気がしますね。
僕もちろん、苦言を呈したいところもあります。しかし、GX100は「モノに対する愛着」を持たせてくれるカメラだからね。弱点も含めて愛している、という感じでしょうか? 作り手も愛情をこめて作っている。たぶん、売れるとか、受けるとか、も気になったんだろうけど、それ以上に「開発者が作りたいカメラを作っているな」と感じることのできるカメラですね。
大事なのは「何が写っているか」ではなく、「何を切り取っているか」です。静止画というのはあれもこれも情報が入っているわけではない。シンプルだから見えてくるものがある。日頃見慣れたものでも、写真として切り取ることで再発見できるものがある。そのために撮るんです。だから、撮影の段階で、1:1のスクエアで撮る、モノクロで撮ることが非常に重要なんです。後処理でできるから、パソコン上でスクエアに切り取ったりすればいいってわけじゃないんです。ファインダーをのぞいた瞬間に、世界をどう切り取るか決めるわけです。「撮影」とはうまい漢字を使っているよね。カメラが写したものは「影」なんですよ。本物を見るより影を見たほうが真実に迫れることがある。人物を撮影しても、その人の今まで見えなかったところが見えてくる。
そういう意味でGX100を手にしたことで、今まで切り取れなかった世界を見ることができた。僕自身の世界観も変わってきていると思いますよ。
PROFILE
横木安良夫
1949年千葉県生まれ 
1971年日本大学芸術学部写真学科卒
1975年 アシスタントをへてフリー。
エディトリアル、広告、ファッション、NUDE、ドキュメンタリーなど、さまざまな方面で活躍中。

写真集 「あの日の彼 あの日の彼女」
TEACH YOUR CHILDREN 1967-1975
(2006年12月)
写真集 「ベトナムGXトラベラー」
(2007年6月)
ホームページ:
http://www.alao.co.jp/home.html
写真展 「GXトラベラーVEIETNAM&TOKYO
by ALAO YOKOGI」
7月17日(火)〜30日(月)御茶ノ水 ギャラリーバウハウスにて開催予定

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